お勉強224:食道がんアジュバントニボルマブ

今更感はありますが、CM577
術前CRTでpCRにならなかった患者を
(だいたいCRT→opeの75%)
ニボルマブ群と、プラセボ群で比較した試験。
日本では「食道がん」の試験としておおむね
紹介されているが、いわゆる海外では一般的な
「胃食道接合部癌」も対象。
(むしろ胃食道接合部癌が6割)
Sqだろうが、Adだろうが関係なく組み入れ。
(割付因子にはなっている。ちなみにAd7割)

放射線治療に関してはサプリメントに紹介があり
・線量は41.4-50.4Gy 45Gy が多い
・ケモは日本とは違いカルパクが多い

PD-L1の発現は総じて悪め。
だいたい5%ぐらいが中央値のよう

ypN(+)が6割程度 ypTはT2までが約四割

ニボの投与は最大1年。


プライマリーエンドポイントはPFS
(割と妥当と思う。OSもフォロー予定との事)
HR0.74で綺麗に分離。


サブグループ解析では
Sqの方が上乗せが大きい
ypNはあんまり影響がないが、
ypTは効き具合がいいほど、効果高い
PD-L1は5%できるとややいい感じ。
胃食道接合部癌より、食道がんの方が効果高い
(上のSqが引っ張っている可能性あり)
胃食道接合部癌ということでHer2との兼ね合いも
気になるが、Her2 Statusでは差が無い。

手術からニボまでの時間や照射線量での違いもなし

一応ディスカッションにも
「術前ケモのみの治療のエビデンスは無い」
とあり、実際日本の食道学会も
https://www.esophagus.jp/files/guideline_20211130_02.pdf
https://www.esophagus.jp/files/guideline_20211130_01.pdf
とりあえず、CRT後pCRでなかった群のみ
ニボ術後を推奨のようです。

JCOG1109の試験結果次第で
この試験の解釈も含めしばらく術後、術前治療が
ワチャワチャしそうな感じがします。

しかし、日本と海外の胃食道接合部癌の
治療の違いは何とかならんもんでしょうか…

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