ESMO 肺がんネタ②Amivantamab無双
Amivantamab無双、という話。
MET抗体とEGFR抗体が半分ずつ合体したような
構造をしたヒトIgG1抗体で
それぞれの細胞外ドメインに結合するらしい
(二重特異性抗体、というらしい)
※後のリンクについているスライドもご参照ください
作用機序としては、
シグナル遮断、
抗体依存性細胞傷害(ADCC)誘導、
Trogocytosis(??)
Trogocytosisとは、細胞同士が接触し、
一方が他方の細胞膜をかじりとってその細胞を殺すという、
独特な現象をいう…らしい。
参照:
(だれか詳しい方いたらむしろ教えてください)
難しい話はおいておいて、
PAPILLON試験
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/202310/581653.html
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa2306441
希少変異のExon20insに
ケモに対してAmivantamabの上乗せがあるか、
(単剤ではすでに承認されている、とNEJMには書いてある)
という試験。
PFSやウォーターフォールを見るとかなり効果はありそう
(PFSは結構大差)
OSはまだ中間解析だが、差がつきそう
(クロスオーバーありの試験)
Exon20insに対する標準治療になっていきそう
MARIPOSA試験
オシメルチニブに正面切って1次治療から勝負!
一応ここで使われているLazertinibも第3世代EGFR阻害薬
Amivantamab-Lazertinibのコンビは
1相試験で上々の結果でガチンコ対決に臨んだよう。
対象はdel19またはL858Rのみのよう
PFSはきれいに併用群でよい
OSはまだ中間解析(差は尽きそうな気配ではある)
脳メタ有でもなしでも併用群有意。
副作用は皮膚症状とVTEに注意。
一応Lazertinib単剤群、というのもarmとしてはあり、
オシメルチニブと効果はほぼ変わらない、という結果
オシメ→この併用や
そもそもオシメとAmivantamabの併用はどうなのか、
とか一時治療をどうするべきなのかなどなど議論は尽きなさそう
https://www.annalsofoncology.org/article/S0923-7534(23)04281-3/fulltext
MARIPOSA-2
今度はオシメルチニブで進行した症例を対象に
Amivantamab+化学療法(プラスマイナスLazertinib)と
化学療法を比較する試験
オシメで進行する人の一定数がMET変異やEGFRのさらなる変異が
原因、というのがrationale
PFSや頭蓋内PFSは併用群のほうが良い、
という結果。OSはほぼぴったりなので、
クロスオーバーあり(?)かはわからないが、
後からAmivantamabを使ってもいいのかもしれない。
正直3剤併用は微妙
(副作用増えて2剤併用と差がほぼなし~ややいいぐらい)