お勉強392:いつまでたっても表舞台に出れない肝臓SBRT
https://www.redjournal.org/article/S0360-3016(23)00308-5/pdf
いわゆるDEB-TACEとSBRTを比較しようという
第二相試験。目的はSBRTのエビデンスを作ろう、という趣旨
→結局集積が悪くDEB-TACE16例、SBRT12例という
パワー不足以外の何物でもない試験に。
DEB-TACE(ケモはドキソルビシン)
(4回まで追加治療OKだが、2回までしか行われず)
vs.
SBRT(一回8or9Gyで6Fr)
観察期間中央値28.1か月で
プライマリーエンドポイントの進行までの中央値は
12か月vs.19か月
局所制御中央値
12か月vs.未到達(40か月以上)
全生存中央値
36.8か月vs.44.1か月
当然というか、どれもSBRTが上に来ているのだが
P値はどれも0.05以下にはなっていない
差がついた(事後解析)のは
1/2年局所制御率で
54.4%/43.6%vs.両方とも100%(P=0.019)
毒性はDEB-TACE群でG3の有害事象あり
(SBRTはなし)QOLは両群とも安定と
ちなみに腫瘍はどちらも1個で3cm程度の腫瘍
(まぁ、RFA適応外、というところなのだろう)
試験としてはネガティブトライアル、、、という結論。
SBRTのランダム化比較試験でのエビデンス抽出は難しい…
我々はコツコツとSBRTのエビデンスを
積み重ねていくのみなのだろうか。
既存のRFA/TACEなどと比べて決して劣らないと思うが
それぞれ既勢力の強さもあり、
(機械やカテーテルなどの副次的な産業のバックアップもある)
なかなかSBRTは壁を破れないのですが、これを
放射線治療医だけで何とかするのはなかなか難しいのも現実。