お勉強474:LD-SCLC PCIは必要か?
LD-SCLCのPCIに関しては推奨度A
Level 1のエビデンス、となっているが
日本のED-SCLCでのPCIの論文が出てから
非常に喧々諤々されている。
当noteでもたびたび取り上げているが、
https://note.com/nijuoti/n/n1a8c2e43051e
https://note.com/nijuoti/n/naa375e90dba5
エビデンスの根拠となっているデータの時期は主に
・CT(ひどい場合は単純CT)
・PCI前に脳転移の評価なし
などのlimitationが一杯で、
近年、頻回にMRIを取り、そこで
SalvageしていくのがPCIの代替になるのではないか、
という意見は結構主流になりつつある。
今回は
・PCIと、
MRIによる定期的な脳の監視の上で
(2-3か月に一回)
※PCIした場合でも同様のフォロー
・脳転移が発生した場合は救済脳照射(SBI)
という二群の比較。
2014年から2020年の
3つの病院のデータを後ろ向き解析。
PCI前にちゃんと脳転移がないとMRIで
確認された患者が対象としています。
CRTはIMRTだったよう
対象患者は120人
55人がSBI群、
65人がPCI群
SBI群の患者のうち、
32人が全脳照射を、
23人がWBRTとSIBブースト。
※2Gy換算でWBRTは32.5–50Gy.
脳転移には50–60Gy 一日一回2–4Gyで照射
SBI群のほうが年齢が高めだった。
PCI群のほうがコンカレントCRTが多い
PCI群のほうが最初のステージが低め
(ステージI/IIが30%程度、SBI群は10%程度)
MSTには差なしSBI群: 27.14ヶ月、PCI群: 33.00ヶ月 P = 0.18
(ただ、ベースが違うとはいえ、PCI群のほうが常に上
プラトーも明らかにPCI群のほうが上
純粋にパワー不足の可能性はある)
サブグループ解析でも基本PCI群によっている
寄ってないのは男性・喫煙者
SBI群で脳転移からの死亡は
SIBでブーストしても変わらず
多変量解析の結果、SBI群でOSに悪影響を与える
独立した因子は、頭蓋外転移
筆者らはMRIサーベイランスで
PCIを回避できる可能性を指摘。
個人的には
・上にも書いたが純粋にパワー不足の可能性はある
(背景がそろっていないのが問題点だが)
・そもそもPCIの回避のメリットは
認知機能低下を防ぐ、という点だろうが、
マスで見ると脳転移が出てきてしまったら
より高線量を入れなければいけないわけで
そのあたりの整合性が難しい
・何らかの形でハイリスク群を抽出する
必要性はあるだろう
という点が気になる点