お勉強464:頭頚部がんのコンツーリングにDWIが有用

https://www.thegreenjournal.com/article/S0167-8140(24)00103-8/fulltext


頭頸部腫瘍(今回は喉頭・下咽頭がん)の
腫瘍のコンツールにDWIを使うと、えぇよ、という話。

研究としては、喉頭全摘された
喉頭がん・下咽頭がん16人を対象として
6人(経験期間6か月から12年と幅がスゴイ)
が2週以上時期を開けてコンツール

標本をスライスし、3Dデジタル標本再構成
(固定後CTを取っているよう)
→それを術前のCTとfusionしてHEと比較ということのよう
(軟骨組織がfusionしやすく、組織もホルマリン固定で縮みにくく
 喉頭はこういう研究がしやすい?
 というようなニュアンスで書かれていた)

実際のMRIやCTの解剖学的情報だけのコンツールと
DWIを使ったコンツールとを比較
MRIは固定具をつけてとっているよう

MRIはT1(造影前・後)T2・DWI(b=0,200,800)を撮像し、
DWIを使ったコンツーリングにはADCmapとb800を使ったとある

コンツールしたGTVは4人以上が「ここGTV」
としたところを今回の比較対象のGTVとしたようだ。

腫瘍HEの平均体積は11.1cm3
解剖学的情報だけのGTVの平均体積は18.5cm3
DWIを足した場合は15.7cm3(18%減少)
総じて、MRIを使ったコンツールは過大評価気味。

感度(腫瘍被覆率)の中央値はセッション間で同等
それぞれ0.93(範囲:0.61-0.99)、
0.91(範囲:0.53-1.00)

GTVに6㎜マージンを付けた
CTV容積もDWIが得られると減少。(13.4%減少)
腫瘍を完全にカバーできたのはそれぞれ15例と14例。

解剖学的MR画像に基づくGTV描出は腫瘍体積を過大評価する傾向がある。
→DWIを使うとさらに腫瘍体積をしっかりと描出して
 いらないところは削れるかも、という結論

MRIのことは分からないが、DWIの空気でのゆがみを少なくする
DW-SPLICE法というのを使っているらしい

DWIは一部症例で腫瘍進展範囲の不足が認められた。
特に軟骨浸潤が見られる場合はDWIでは不十分。
CTも参照する必要があるとの考察

高臨床病期(T3-T4)の症例が中心(T2は一例のみ)で、
低臨床病期への適用については不明。

DWIの評価者間変動は改善してなくて、
そもそもの描出には一定の訓練が必要と考えられる、とのこと

あとはMRI撮った時期とオペ検体の時期は違うわけで
(中央値8日)そこのところも注意が必要と。
(一例MRIでのコンツールが過小評価だったものが、
 ちょうど撮像から手術まで時間が結構空いたものだったらしい)

直腸でも似たような報告があるとのこと。
他にも

こういう報告もあり、頭頚部DWI
「あんまし役に立たない気がする…」と
舐めてましたけど、間違いでした…

調べてみたら舌癌のDOIでも似たような報告がある…

https://www.jstage.jst.go.jp/article/mrms/advpub/0/advpub_mp.2023-0137/_pdf/-char/en

(使ってるDWIの手法は違うようだが)

先日出席したMRI画像誘導放射線治療研究会
でもDWIの話があり、DWIはこの10年ぐらいでかなり
撮り方が進歩してきてゆがみなども減っているらしいです。
下手なT1/T2/T1造影は意外と腫瘍範囲を過大評価している、
というのは結構知らなかったので勉強になった次第。

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