お勉強56:カナダから頭頚部hypo
https://acsjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/cncr.32968
プリンセスマーガレットからCOVID-19下に使うことを想定して、
RT単独でhypoの症例を加速照射(週六回70Gy)やCCRTと比較した
論文。照射法自体は今回の事態で始めたわけではなく、
むかしから実臨床でやっていたよう
カナダでの医療体制は集約化が進んでおり、
遠方から患者が来るのは当たり前で病院周辺には
それ用のホテルみたいな建物があるようです。
海外でhypoが歓迎されるのも社会的背景がありますね。
(当然集約化されているのでスタッフ数も余裕があり、
医療レベルも上昇するわけで、日本の方針とは
全然逆なわけですが、国民の総意が得られているという
ことなのでしょう)
照射法はIGRT下のIMRTのよう
RT単独はステージが浅くて、状態が悪い人が多い(予想通り)
ステージ(7版)ごとにみると、
HPVポジ中咽頭だとT3/4だとCCRTで遠隔転移がコントロール率が良い。
局所制御は優位差なし
それ以外のT1‐T2N0,
T1‐T2N1‐N2a, T1‐2N2b, or T1‐2N2c/T3N0‐N2cでは
局所制御や遠隔転移には差なし。
HPVネガだとステージI/IIだとRTのみでもCCRTでもよいが、
ステージIIIになると、局所制御がRTのみで悪くなってくる
喉頭のみだと、加速分割のみ局所制御不良になっている
ちなみにステージIVになるとまた差がつかなくなるし、
HPVネガだとCCRTは遠隔転移コントロールには効いてこない
筆者たち的にはセレクションバイアスはあるものの
実臨床セッティングでCCRTはゴールデンスタンダードだけど
絶対的にCCRTの優位性がみられるのはHPVポジのT3/4と
HPVネガのステージⅢの場合ではないかと考察
ハイポの2.4Gy/Frでの60Gy は対象を絞れば十分いい
少なくともCOVID-19下ではリスクの低い一つの選択肢では?
と提案
(もちろんケモにunfitな人にはファーストになり得る)
無論、JASTRO-COVIDでも話題になったように
altered fractionとCCRTのHRは大分違うので
CCRTが進行期ではgolden standardなのは間違いないけれど、
一部のステージやケモがしっかり入らなそうな人とかはこういう
hypo fractionのほうが
案外いいのかも、と個人的には思わされました。
ただこのレトロではCCRT,といっても
結構ケモはいっていない人もいるので
その分も差っ引いてみないといけない。