お勉強467:子宮頸がんIGRT,局所制御はいいけれど…

https://www.redjournal.org/article/S0360-3016(23)00007-X/fulltext

https://note.com/nijuoti/n/ne3e1ed743958

これの副作用の報告


MRI誘導下のIGBTで局所制御は上がり
CRT→MRI誘導下のIGBTの成績は上述のように
良かったわけだが、

個人的には有害事象の多さが気になるところだった
5年追跡時のG3以上の有害事象の報告

1251人が追跡調査に含まれた。

G3以上の副作用(複数出ている場合はより重篤な方)
全体の5年間のG3以上の有害事象の発生率は26.6%(534例)
うち429例がG3 105がG4 (G5は別に報告。下記参照)
消化管(GI)/泌尿器(GU)/膣/瘻孔の有害事象は、
8.5%/6.8%/5.7%/3.2%の発生率
全体では18.4%

10例イレウスがあり、うち5例が閉塞
4例穿孔があったがうち2例は治療と関係なし
(膿瘍のドレナージチューブ、虫垂炎)

当たり前だが、有害事象は進行期に多い
瘻孔は
I/II/III/IVAで
1.6%/1.3%/10.2%/18.6%
尿路狭窄は
0%/1%/10.8%/21.3%

ほとんどの有害事象はほぼ3年以内に発生し、
尿道狭窄、膣狭窄、消化管閉塞、瘻孔の順に多い

13例(1.2%)治療関連死。1例は好中球減少症による敗血症
うち8例がGI、5例が感染、4例がGU、4例が穿孔
(全例詳細が出ているのでOPENなので読んでみるとよいかも。)

Grade3/4の有害事象で多いものから順に
敗血症、腸穿孔、腸壊死、下痢、瘻孔、消化管出血
尿管狭窄 など

42例穿孔があり、一番多かったのは
膣関係。ほとんど最初の時点で浸潤があったよう

G3以上の膣狭窄は起こると治らない。
意外とそのほかの有害事象は治っているものもある。

CTCAEスコアをRTOG/EORTCスコアに変換しているのが問題点
(昔のデータと比較するうえでそうしたらしい)
※一応論文中にCTCAEでのGU/GI/膣有害事象の
 ベン図が出ている。

過去の二次元治療よりは頻度は減っているようだが、
正直多いのでは?…と専門ではない人は思ってしまう。
海外の子宮頸がんはセンタースプリットを入れないし、
線量目標も高いと聞く。
日本ではここまで高くはないと思うが…

でも、Xpベースのころよりは良くなっているという結論。

GIの有害事象が結構クリッティカルなものが多く
IMRTなどで外照射の線量を減らせるといいね、との議論も。
ARTの出番?

尿管狭窄とか、膣・膀胱瘻は腫瘍の進展上
致し方ないとしても、このGI有害事象はちょっと…
という印象。センタースプリットって大事なんかな。

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