お勉強131:中枢に対する定位に一石
https://jtd.amegroups.com/article/view/48524/html
(Freeです)
いわゆる、centralに対するSBRT
縦隔のNなども含めて(つまりStageⅢ)照射している症例も含んでいます。
ポイントは週1-2回照射にしているところと
Nに関してはdoseをかなり落としているところ
プライマリーには
60Gy/4Fr(BED10=150 Gy)
50Gy/4Fr (BED10=112.5 Gy)
50Gy/5Fr(BED10=100 Gy)
40Gy/4Fr (BED10=80 Gy)
等を使用との事
リンパ節は結構安全目に
28Gy/4Fr(BED10=47.6 Gy)
24Gy/4Fr(BED10=38.4Gy)
20Gy/4Fr(BED10=30 Gy)
と大胆に(大胆過ぎるが)線量低減
RT後再発は線量を下げ目にしていると
115人148か所
術後再発や、SBRT後再発なども含めて
年齢中央値が78歳と決して良くない群です。
これらすべての症例を含めて
2年のOSは65%
ローカルコントロールは77%とかなりいい印象
BEDが高い方が局所コントロールは良い傾向と。
面白いのはこのRT前に手術やケモをしている群は予後が悪いのに
RTをしている群はむしろ予後がいい、ということ
(結構バイアスはあると思いますが…)
StageⅢはもちろんOSは良くないのですが、
局所領域制御に関してはStageI/IIと変わらない
驚くべきなのは有害事象の少なさで、
再照射もあるし、いわゆるcentral症例なのに
Grade3以上なし!
(再照射はもちろん線量を下げたりしてます)
期間をあける、というのが有害事象の減少につながって
くるのは予想通りですが、
Nの線量がこれぐらい低くてもOKというのと
週1~2の照射でも十分成績が良い、というのは
(筆者らは再酸素化とかその辺のことを語っている)
reSBRTのあり方や、Stageが進んだ肺がんへの
SBRTについてなかなか示唆的な研究と思います。
今回の高精度では3Gy×25Frの発表が駒込病院
からありましたが、局所制御はいいものの、
有害事象はやっぱりあったのと、かかる日数を
考えると、こちらの方が有利かもしれません
論文には海外だと週一、というスケジュールが
遠方の患者にはよろしくない、という下りも
ありますが、日本ではむしろ好意的にとられそうで
この方向性の研究は日本が向いているかもしれません。
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