お勉強:27 デュルバルマブ±トレメリムマブ話
https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/fullarticle/2765332
大腸がん、II相試験。後方ラインでBSCとの比較
併用療法がMSSでも効く、というかTMBが高いと効く。
(データを見るとMSSで効く、
というのはちょっとミスリーディングかも
しれずせこい気が)
治療を続けていくうちに変異がたまってくる?
かもしれず、BSCが対象という点も含め試験デザインの勝利かもしれない。
PFSはやっぱり短い。
免疫チェックポイント単剤だけじゃなく他の薬剤との組み合わせ
レゴラフェニブ+ニボルブマブ
https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.2019.37.15_suppl.2522
アテゾリツマブ+カペシタビン+ベバシズマブ
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0923753419587543?via%3Dihub
等の報告あり
https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/article-abstract/2763864
(MYSTIC trial 主要評価項目はネガティブトライアル)
もともと解析予定だったらしいが、
血液中のTMBで高値の群は併用療法の意義が
あったという事だそう。
ただ、MYSTICの論文のカプランマイヤーをみると、
一概にイミフィンジと
tremelimumab(CTLA-4阻害薬)
の併用結果は「悪い」と
片付けるだけではいけないような感じ。
一応PD-L1高発現で統計学的に
カプランマイヤーで差は示せていないが、
明らかにHRが一定ではない。
(かつてのイレッサのデータを思い起こす)
この群でPD-L1の発現はあてにならん。
というか、ほかに何か効果を規定する因子がある
それが血液中のTMBなのかは?だが、
この大腸の試験をみると、この点は
案外再現性があるのかも。
TMBのカットオフが違うところが気になるが…
既にPFSの結果でポジティブとの報告の
化学療法との併用試験の
(ポセイドントライアル?)
全生存は期待が持てる。
大腸の試験が良かったのもBSCとの比較試験で
あったところで、ケモとの勝負では微妙だったと
個人的には思う。
あと、この二つの試験の地味に画期的なところとしては
今まで腫瘍のTMBを測るのが
一般的だったらしいが、血液中のTMBを測って
予後に差がつく、ってのはMYSTIC試験が
初めてのよう。大腸のほうも血液のTMB。
MYSTICの方はTMBで区切ったら
低TMBは効かない、ってのは明らかに言えそう。
tremelimumab、イミフィンジの併用療法は
どうもTMBがkeyっぽい。
高TMBでは今まで良いとこなしだった
イミフィンジと tremelimumabの併用が
期待できそうです。
tremelimumab併用するとネガティブトライアルになると
自分のnoteにも書いてしまったが
https://note.com/nijuoti/n/n38603e540338
どうも、ちゃんと論文をよむと
今後変わってくるのかもしれません。
ついでに。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0923753420364346?via%3Dihub#sec1
EAGLE study
デュルバルマブ単群はまだ長期で拾いどころがありそう。
他の免疫チェックポイントの試験とアウトカムの数値的には近いとの事
(ただ、いわゆる標準アームの成績が他の試験より良いようです)
一方、デュルバルマブ±トレメリムマブはイケていない感じです。
TMBが高い群ではどうなるか気になるところ