お勉強487:ctDNAでTKIを上手に使えるか?

https://jamanetwork.com/journals/jamaoncology/fullarticle/2820083

非小細胞肺がんでTKIを使用する際に
ctDNAガイド下に治療をいったん止められるか?
という論文

放射線療法などを行って、画像的にCRな非小細胞がんで
ctDNAに基づいてTKI治療が中止できるか?というのを検証してみた報告

2020年6月3日から2022年7月19日にかけて行われた
前向きの非無作為化試験。
TKI治療と局所の後、(局所治療はほとんど外科手術)
放射線学的に検出不可能な病変を持たない
60人の進行したNSCLC患者が対象
(EGFRだけでなく、ALKやROS1も少ないながら入っている)

※要はctDNAガイドの治療、で局所治療後、画像的CRの人を
 どう管理していくか?という試験。

TKI治療を中止し、3ヶ月ごとにフォローアップ
※CT・頭部MRI・CEA・ctDNA
グループA:陽性指標がなく治療を中断し続けた患者
グループB群:RECISTに基づく進行性病変の前に
   ctDNA陽性および/またはCEA値上昇を示した後に再治療を開始
グループC:最初の治療中断中に分子指標陽性の有無にかかわらず
  RECISTに基づく進行性病変が確認された患者。

・グループA(23%): 再発がないので。治療中止を継続(追加治療なし)、
        中央値20.3ヶ月の治療休止期間(PFSは当然100%)

・グループB(52%): ctDNA/CEAどちらか陽性で再治療、
         (画像上には進行なし) PFS中央値20.2ヶ月

         中央値8.8ヵ月の治療休止期間
      (治療で画像的に消失・CEA/ctDNAも陰性なら再び治療停止)

・グループC(25%): 画像上の増悪で再治療、PFS中央値5.5ヶ月

今回再治療の奏効率: 96% 次の治療までの中央値29.3ヵ月
OSはimmature

全体で治療中断期間の中央値は9.1か月。

画像的にCRの患者においてctDNAを指標として経過観察・追加治療
するのは有効かもしれない、という結論

個人的にはディスカッションにもあるが
・CEAの有用性?
・そもそも治療開始前のctDNAを測っていない
 (この試験は局所治療が終わった時点でのaccrual)
・実際にスイマーズプロットを見ると、
 治療をストップするまでの期間がまちまちすぎ
・結構治療開始してもまたストップできている症例は多い
・そもそもTKIでは治らない(はずなのに)のに、
 TKIのみ行っていてよいのか?
 個人的にはTKI+ケモとかもこのセッティングではありと思う

TKI+局所治療で治る人もいる?

いいなと思ったら応援しよう!