お勉強478:アミバンタマブとラゼルチニブ、FDA承認!
FDAでアミバンタマブとラゼルチニブが承認されました。
というわけで遅いですが、
MARIPOSA試験
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2403614
オシメルチニブと、ラゼルチニブ±アミバンタマブ
のガチンコ対決。
こちらも参照に
EGFRの耐性に関わるMETをターゲットにしているのが
売りのよう。
EGFR変異といっても対象はdel19またはL858Rのみ
第3相ランダム化試験。
アミバンタマブ+ラゼルチニブ、
オシメルチニブ、
ラゼルチニブ
の3群に2:2:1の比率で割り付け
(結果的に429人・429人・216人に)
割付因子としては
・19delかL858Rか
・アジア人か否か
・脳メタの有無
プライマリーエンドポイントはPFS
セカンダリーエンドポイントは
・ORR(CRとPR)
・奏功持続期間
・安全性
今回は主に
アミバンタマブ+ラゼルチニブと
オシメルチニブの比較
PFS中央値は観察期間中央値約18ヵ月で
アミバンタマブ+ラゼルチニブは23.7ヶ月
オシメルチニブは16.6ヶ月
(ラゼルチニブは18.5ヵ月だったらしい
カプランマイヤーはほぼ一致)
有意差あり(HR:0.70 95%CI 0.58-0.85)
サブグループ解析でもおおむね
アミバンタマブ+ラゼルチニブが優位
とくに65歳以下は顕著
オシメルチニブが得意とされる
脳転移群でもアミバンタマブ+ラゼルチニブ優位
CNSのPFSは27.5ヵ月・18.4ヵ月
(ちなみにかなりまめにMRIを撮っているので
この値はかなり信頼度が高い)
アミバンタマブ+ラゼルチニブ/オシメルチニブで
レスポンス自体は86%/85%
奏功持続期間中央値は
25.8ヵ月/16.8ヵ月
OSはまだ中間解析だがHR0.8で(95%CI:0.61-1.05)
アミバンタマブ+ラゼルチニブ有利(2年OS 74% vs. 69%)
治療関連の副作用中止は
アミバンタマブ+ラゼルチニブ群で10%
オシメルチニブ群で3%
アミバンタマブ+ラゼルチニブ群では
infusion reactionと爪周囲炎・皮疹が多いよう
下痢は少な目 VTEにも要注意 開始四か月以内が多いと。
アミバンタマブ+ラゼルチニブの最近の試験では
最初の四ヵ月抗凝固療法を推奨しているよう。
ラゼルチニブは、T790M変異にもきいて、
1st lineでゲフィチニブに勝っているという
オシメルチニブと似たようなプロファイル
(CNSに効果もあるらしい)
ラゼルチニブの薬価がどうなるかは興味深いが、
副作用などで扱いにくいならオシメルチニブと
互換性がないかも気になるところ
この結果でオシメ一択時代が終わるのかもしれません。
ただ、MRIPOSA-2でオシメ後に
アミバンタマブ+ラゼルチニブ+ケモの結果も出ていて
https://www.annalsofoncology.org/article/S0923-7534(23)04281-3/fulltext
こちらでPFSで12.5ヵ月なので、
アミバンタマブ+ラゼルチニブ後のケモのPFSがどのくらいかにもよりますが、
オシメを先に使ってアミバンタマブ+ラゼルチニブを後に
とっておくのもありな作戦かもしれません
あと、
皮下注製剤も出てきて、副作用も皮下注のほうが少ないようです。