お勉強354:ASCO23速報、直腸温存ネタ

https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/224383

https://note.com/nijuoti/n/n6af26b9e1438

これの一番下のショートコースvsロングコースの
追加解析のよう

cCRの判定としては内視鏡・MRIなどを行っているよう
cCRならW&Wを推奨
CRでない人はTMEを推奨

臓器温存率=骨盤内に病変なく、TMEfreeであること
と定義し、これがメインのエンドポイントのよう。
そのほか局所再発率・DFS・OSを比較
位前方切除症候群(LARS)質問票を用いて、
主要なLARSを有する患者の割合もチェックしたと

TNTを受けたのは332人で
うちロングコースが256人
ショートコースが76人
(COVIDをきっかけに治療法を変えていたという背景有)
背景群はほとんど変わらずStageIIIが82%ぐらい
化学療法を先にやる、というのが多かったよう
ロングコース78% ショートコース70%
TNT終了後、判定までの期間中央値は
ロングコース 8週間
ショートコース 9週間

ASCOGIでも報告された通り
cCR率は46%(両群とも)2年OS/DFSは95%/92%、DFS78%/70%
でロングコースのほうが上を行っているがほぼ同等
局所再発率が20% vs 36%,臓器温存率が40% vs 29%でロングコースがよし
ちなみに前のnoteにつながっているTwitterによると
cCRと判断して、2年温存できた割合は
ショートコースが67% ロングコースが88%と
結構差がある。
https://twitter.com/NiuSanford/status/1616818142407454720/photo/3

今回発表された主要なLARSに関しては
ベースラインがロングコース23%ショートコース18%で
6か月41%/42%  一年 25%・15% という結果
発表者の結論としては「major LARSは同等」という結論のこと
(まぁ、治療前とほぼ同等、という結果ととるのがいいのだろう)

臓器温存率に関して
ショートコースがいいか、ロングコースがいいかは
ACO/ARO/AIO-18.1試験が走っているとのこと。

https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/225312

直腸がん、TNT以外の方向性
ICI+血管新生阻害薬
中国からなので
Camrelizumab+Apatinibを
CRTに加えて効果を見てみました。というI相試験
線量は50.4Gy/28fr
併用はカペシタビンCRT終了後7-9週目

pCRがプライマリーエンドポイント

11名で評価。10人が高リスク(MRF陽性・側方リンパ節陽性・cT4a/b)
pCRは4人(36.36%)7名(63.64%)がMPR
全例R0切除、down grade(リンク先に全症例詳細あり)

Nは少ないが、TNTレベルのpCR率
これでケモも組み合わせてやれば
かなりpCRが出せるのでは…

やっとケモラジ→ケモ、という流れがよさそう
(下記にあるOPRA試験)
という流れになってきたところでICIも入ってくると
順番が難しそうだけど…

https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/218400
OPRAtrialの長期フォローアップデータ
いわゆるTNT→W&Wの話。
https://note.com/nijuoti/n/n6a67b268a722
で3年の成績を出していたが5年フォローのデータ
もともとは先にCRTがいいか、後にCRTがいいか、というランダム化II相
重要ポイント
・先にCRTをしたほうが
 5年後のTMEフリー生存率が高い
 CRT先54%vs.CRT後39%
・W&W後の局所再増大はほとんど3年以内(99%)に起こる
・5年DFSは、W&Wをしなかった(できなかった)群と
 局所再増大して手術になった群とで差がなかった
進行期でもTNTで半分残せる、というのは衝撃。
そのほか細々した成績を知りたい方はアブストラクトへ


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