post JCOG1109、放射線治療の行き場は?
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/report/202409/585560.html
安定の日経メディカル記事さんの記事からの今後を考える。
JCOG1109のサルベージでのCRTの活躍を見ると
やはり「広く照射」で潜在的リンパ節を叩くより
強めの化学療法で潜在的リンパ節を叩く方が
筋がいいということなんだろうか…
日本の徹底的3領域廓清でも廓清範囲から
出てくるので、リンパ節廓清の徹底さは本当に大事?
この東北大学のDCF+RTは根治にも進出してきてほしい。
T4/M1aの最適治療は何なのか?
とか
術前治療にICIを加えてpost JCOG1109を!
とか
DCFすることは前提で、術後療法は?
とかはJCOGで試験開発行われている
https://jcog.jp/assets/pdf/JEOG_01.pdf
JROSG12-1も結果が出た
いろいろ意見はあるだろうが、頸部食道がんは
とりあえずCRT,というのは悪くないというか、
標準的治療のひとつと捉えている
・喉頭温存
・cT4が多い
・心臓などがCRT範囲に入らないので、他病死の問題は
クリアされそう
という面で放射線治療医としてはお勧めしたいところ。
外科の腕利きの先生は結構パワフルな喉頭温存手術も
されているので、負けないように。
II/III期での
食道温存のBEST practiceは何なのか?
って試験行われているのだろうか…
CROCと0909だとやっぱり0909のほうが
トータルでの温存率はいいし…
https://note.com/nijuoti/n/n7ff94297f698
CRT後のコンソリデーションのICIは期待できるか?
コンカレントは他の分野も見てもこけそうだし…
・IFRT
I期でJCOGが試験しているが、個人的には
JCOG0303とかでもIFRTが採用されていたように
進行期では「リンパ節領域制御」>「局所制御」
というように思っているので、害のことを考えると
結構IFRTは(放射線治療医としては抵抗感が大きいが)
CRT後ICIがポジティブに出たらありな戦略と思う。
・陽子線
もうこれに期待するしかない、放射線治療医としては。
JCOG1109で他病死が多かったのはやはり心臓や
余分な照射が原因と放射線治療医としては考えるので。
・選別化
ASCOネタの京大の発表もそうだが、
CRTが効く群と、効かない群をしっかりと判別していく
生物学的なアプローチは期待できる。
なんにせよ、「食道温存」のニーズが
「治療成績が良い」ことでかき消されてないか、
と個人的には心配するのです。
「食道温存希望」患者の灯りとなる臨床試験が必要!