お勉強321:直腸温存療法(W&W)関連ネタ@ASCOGI2023
インフルエンサーの注目演題
https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/215761
いわゆる直腸がんの非手術治療の試験
ちょっと凝った試験で、
CRT (54Gy/30fx) にkVのX線照射(90Gyまで線量増加!)を
加えることでpCR率が変わるかという事と
(ここがランダム化III相)とW&Wの可能性を探る試験
kVの機械はこちらのツイート参照
対象はいわゆる普通のW&Wより若い群で
cT2-T3a/b, N0-1,ブーストの都合上肛門から<5cmのみ
大きさが小さかったら、kVを優先するよう
結論1:高線量でcCR率や肛門温存率は上がる
(BoostするとcCR 92%!!)
結論2:手術可能病期でもW&Wで
通常線量で57% Boost照射群で79%のTMEfree生存率
特殊な機械が必要なので、そう簡単には広まらないであろうが、
破壊的な温存率。直腸がんの線量依存性、というのも
明らかになったかもしれないので、いわゆる普通の小線源で
膣アプリケーターみたいなスペーサーを入れてやることが
流行るかもしれない
(むかし、ヨーロッパの先生がやっているという話を聞いた)
https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/215762
NRG-GI002試験
対象はMSS の局所進行直腸癌のStage II/III患者
・肛門縁からcT3-4≦5cm N+
・cT4 CRM 3㎜未満と予想
・cN2
※FOLFOX[4カ月]→カペシタビン併用CRT 50. 4Gy→8-12週後に手術のTNT
PARPiかペンブロを上乗せで効果が出るか、というのが主眼だったよう
結論としてはペンブロで3YOS改善
PARPiはむしろ悪くなっている
https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/217698
メモリアルスローンケタリングから
いわゆるコロナでTNTのやり方を変えたらしく
long cource(CRT)と、コロナで行っていたshort courceのTNTを比較
結論としては cCR率、生存率、遠隔転移頻度は変わらないが、
いわゆるCRTのほうが、再発が少なく、(20% v 36%)
2年の臓器温存率が高かった (40% v 29%)
過去にも報告があるが、ケモラジ先行群のほうが温存率高い
WWによって管理された患者では、
2年間の局所再増殖率はCRTで20%
ショートコースで36%
retrospectiveの限界はあるが、
みんなが思っていた疑問に答える研究。
ショートコースの方が、ケモのintensityが
高くなるとか、TNT全体の時間の短縮になるとかで
ややショートコース寄りの流れを個人的には
感じていたので、CRTの復権はうれしい。