お勉強496:食道がん術後治療の行方は?
https://link.springer.com/article/10.1245/s10434-024-16325-2
PIECE試験
JCOG2206
https://jcog.jp/document/2206.pdf
のアームCの根拠となった試験。
術前化学療法後手術を受けた患者群に
アジュバントとしてのS-1の有効性と安全性の評価をした試験。
対象は臨床病期IB-III(T4除く・UICC7th)のESCC患者で
術前化学療法(FP)後手術して病理はSq,腺扁平上皮,basal cell
4サイクルのS-1を行う(4投2休)※手術前登録
主要評価項目:3年RFS R1/2は再発まではイベントとして扱わない
下限信頼区間が50%を超えればmetと定義
52名が対象に。
1名が小細胞がん、一名が同時癌あり除外
年齢中央値62歳 男性38名
cT1/2/3=10名/10名/30名
cN0/1/2=12名/27名/11名
45名が二サイクルの術前療法を完遂。
手術後56日以内にS-1開始
50例中R0切除は45例
最終的にS-1投与できたのは38例
32例が完遂。
dose intensityの中央値は85.8%
6か月ごとにCTでフォロー
3年RFSはITTで72.3%(95%CIが59.9%-81.5%) 3年OSは85.0%
とかなり良い成績。(術前化学療法はDCFでなくCF)
予後不良因子はypT3/4(RFS)と開胸(OS)
pCRであった人は3名のみ
残りの42人の3年RFS 79.4% 3年OS 92.2%
再発形式としては6例が局所領域
G3以上で10%以上の有害事象は好中球減少・食欲不振・下痢
治療関連死なし
ということで、エンドポイントはmet
この試験のcT3 59.6% 胸腔鏡下手術は90%
JCOG1109のCF群の3年EFS/OSは48.1%/62.7%
(ただし、cT3が多く、胸腔鏡下手術が少ない)
胸腔鏡と開胸手術を比べたJCOG1409 では
https://jcog.jp/assets/JCOG1409_Laysummary_ver1.0_20240524.pdf
胸腔鏡下手術群のステージが一緒の群は
3年RFS 61.8% 3年OS 74% cT3は55.9%
→純粋比較はできないが、S-1アジュバントは
JCOGの臨床試験の成績と比べても手ごたえは良い。
しかも胃がんや胆道がんでS-1アジュバントは
すでに実績があるし投与の完遂率もほぼ同じだった。
またチェックメイト577で示された
ニボの成績と比べても(色々背景が違うのでしょうがないが)
悪くないし、irAEもないし、費用も1/70と。
JCOG2206
https://jcog.jp/document/2206.pdf
結果が気になりますね。