お勉強469:前立腺癌、寡分割照射のほうが良い?
https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.23.02445
https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.2016.67.0448
これの続報
そもそも前回の論文の結論としては
低リスク前立腺がんに対して
73.8Gy/41fr(標準治療アーム)と
70Gy/28fr(寡少分割アーム)を比較して
・寡少分割の標準治療アームの非劣勢が示された
・ややGI/GU有害事象が増えた
という結論だった
今回は5.8→12.8年に経過観察を増やした結果の報告
対象群は
T1-2a,
GS 6以下
PSA <10 ng/mL
という「低リスク群」(ADTなし)
12年の時点で DFSは
標準治療:56.1%
試験治療:61.8%
HR0.85(95%CI:0.71-1.03) で非劣勢は示された
(むしろ試験治療のほうが良い)
生化学的再発(フェニックス定義)は12年で
標準治療:17.0%
試験治療:9.9%
HR0.55(95%CI:0.39-0.78)
で試験治療群が有利(非劣勢試験なので…だが)
局所再発は
標準治療:4.7%
試験治療:0.6%
HR0.17(95%CI:0.06-0.48)
で試験治療群が有利
遠隔転移は両群変わりなし(HR1.1)
OSも両群差なし(HR1.01)
G3以上の晩期有害事象は
GI
標準治療:3.2%
試験治療:4.4%
GU
標準治療:3.4%
試験治療:4.2%
優位差は両方なし
というわけで、生化学的再発は
hypoのほうが良いという結果。
筆者らによるとこの`hypoのほうが生化学的再発が少ない`
というデータは初めてのものらしい
60Gy/20Frと74Gy/37Frと比べた
CHHip試験の生化学的再発のHRが0.84(95%CI:0.7-1.02)
だったのも併せて、hypoがコンベより相応しい、と主張
の図も参考
問題点としては20年前はそれほどエビデンスがなかった
アクティブサーベイランスが現在この群では
主流になりつつあることと、
73.8Gy/41frは現在あまり用いられない
(ただし、低リスクでは高線量のエビデンスはない)
hypoのほうが良い、というエビデンスが
長期のフォローでもっと出てくるのかどうか、
今後も注目です