お勉強506:肺がん術後照射はオワコン?

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2405630824001666

pStageN2に対する術後放射線治療(PORT)は
ネガティブな報告が多い

https://note.com/nijuoti/n/n596bf8a5d27e

https://note.com/nijuoti/n/nf9fee779c116


今回はPORTが有用な群を探してみよう、という趣旨の研究。
高リスク群は過去の研究から
リスク因子
・喫煙歴(10 pack-years以上)
・cN2病変、
・4個以上の陽性リンパ節。
の因子が2つ以上ある患者はLRR高リスクと分類。

2016年から2022年にかけて実施されたランダム化試験
(NCT02974426)において、

※https://www.jto.org/article/S1556-0864(21)00618-3/fulltext

こんな試験らしいが、結局集積悪く中止と…
局所再発の高リスク患者を対象にPORTのタイミングと有効性を評価。
後方視的コホートからPORTを受けなかった高リスク患者と比較。

左は気管支断端+#2R/2L/4R/4L/5/6/7/10/11L
右は気管支断端+#2R/4R/7/10/11R

線量は1.8Gy/Frで50.4Gyまで
PORT群だけで調べるとN2の個数が多いと明らかに
局所再発率が高い

プロペンシティースコアマッチングして成績を比較

生存成績
3年OS率: 83.0%(PORT群)対60.7%(非PORT群)
3年DFS率: 35.2%(PORT群)対28.6%(非PORT群)
3年LRFS率: 77.6%(PORT群)対57.3%(非PORT群)

PORTはLRRとDFSを有意に改善し、OSにも利益があったが、
遠隔転移なし生存率に差はなかった。

PORT群ではG3放射線肺炎が2.3%。

化学療法とPORTの順序はどちらでも差はなし。
化学療法は遠隔転移なし生存に効いてくる

基本的には
・局所再発ハイリスク群を抽出すればPORTが
 意義を発揮する場はあるのかもしれない
・が、術前・術後 IO/ケモ/TKI
 が出てきた時代、局所再発が
 「出てきた後」にサルベージするのではだめなのか?
 という疑問は常々感じる。
・50.4Gyの線量というのは制御には不十分で、
 一般的には害な線量、という気もする

JCOGのPORTは進んでいるのだろうか…

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