お勉強413:超高線量を入れたら、ハイリスクでも長期ホルモンは要らない?

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37802225/

https://www.urotoday.com/conference-highlights/astro-2023/astro-2023-prostate-cancer/147149-astro-2023-health-related-quality-of-life-at-five-years-for-a-randomized-trial-of-tri-modality-therapy-with-i-125-brachytherapy-external-beam-radiation-therapy-and-short-vs-long-term-andr?mtm_campaign=Yorozu_SocialASTRO23_147149


日本から前立腺がんの第三相試験。
ASTROで萬先生が発表されたようです。
日本での前立腺治療の発表は
あんまり取り上げられない傾向なので
REDで日本の前立腺の試験が載る、というのはすごいことかと。
(泌尿器腫瘍学会で苦労話を口演されていました)

限局性高リスク前立腺がんに対して、
6ヵ月のADT(LHRHとビカルタミド)
小線源治療(ヨードでD90:110Gy)

外照射45Gy/25Frを行う。
α/β=2Gyで200~240Gyを目指したとのこと

(シードをやったことがないので、
 このあたり詳しくないのですみません)

その後ホルモン療法を
24ヵ月のLHRHを追加するかどうかという試験
期待としては30か月がいいのでは?
というデザインで始めたようです。

小線源治療で線量を上げてもホルモン療法は
長期にする意味があるか?というテーマですね。

対象は
ステージT2c-3a
PSA>20ng/mL、
GS>7
40~79歳

6か月でADTをやめる短期群
2年追加する長期群の比較(LHRHのみ)
332人の患者のうち、165人と167人が
それぞれshort armとlong armに無作為に割付
層別化因子は年齢、PSA、GS

プライマリーエンドポイントはPhoenixの定義での生化学的再発
副次的エンドポイントは、臨床的進行、転移、救済治療、
疾患特異的死亡率、全生存率、グレード3以上の有害事象など
intention-to-treat解析は、競合リスク解析を用いて
決定された生存推定値を用いて行われた。
ASTROではQOLの報告も行われたよう

追跡期間中央値は9.2年で、
7年後の生化学的進行の累積発生率は、
短期群9.0%(95%信頼区間:5.5-14.5)、
長期群8.0%(4.7-13.5)であり、差がなかった(p=0.65)

副次的評価項目の結果は両群間で有意差はなかった。
内分泌および放射線関連のグレード3以上の有害事象の発生率は
短期対長期でそれぞれ
0.6対1.8%(p=0.62)
1.2対0.6%(p=0.62)であった。

ASTROの情報によると
テストステロンリカバリーは短期群で早く、
いわゆる去勢域を超える割合も高かったとのこと
ホットフラッシュも短期群で少なかったと。
それ以外の性機能やQOLには差がなかったよう。

結論としてはどちらの治療群も高リスクに同様の有効性。

(外照射のみの高線量照射と比べて
 小線源ブーストは価値がある、
 というデータが出てきていると筆者らは主張。
 線量と効果には比例制があるようである)

3者併用療法の毒性は許容範囲内であった。
主要エンドポイントの
30ヵ月ADTが6ヵ月ADTよりも、
ブラキセラピーおよびEBRTと併用した場合にの
生化学的コントロールが良好であることは証明できず。
(統計学的に言うと、優越性が示せなかった)

短期群の非劣勢試験がいる、と書かれているが…
統計の遊びのような気もする。

どちらにせよ、線量をLDRで上げることで
長期のホルモン療法を避けられる可能性はありそうです。

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