お勉強370:お勉強119の続き、SCLCのCRTの壁は20年を超えた壁。

https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/218839


これの延長解析(5年フォロー)

要はSCLCのCRT,結構みな勘違いしているが
遠隔転移も多いが、局所再発も多い。
45Gy/30Fr 一日二回、というのが発表されたのは1999年
そこから通常分割での線量増加が勝負をかけてきたが、上回れず
(CONVERET 66Gy/33Fr,RTOG/CALGB 70Gy/35Fr)

この45Gy/30Frのhyperの線量制約は一応2相試験で
食道炎がG3が多く、この線量になったという背景がある。

→PET
 IFRT
 IMRT/IGRTで食道を守る
 ケモを1コース先行しターゲットを縮小

という方法でhyperのまま
60Gy/40Fr 一日二回、という線量を使った試験
いちおう以前のnoteにあったように、
グレード3-4の食道炎
(60Gy:21.2%、45Gy:18.2%)、
グレード3-4の肺炎
(60Gy:3.4%、45Gy:0.0%)

と有意差なしで治療できるよう

論文にも報告あったようにPFS中央値は
60Gy: 18.6 ヶ月 [95% CI 11.6-25.6],3年PFS 39.3%
45Gy: 10.9カ月[95% CI 8.7-13.2],3年PFS 29.6%
HR 0.76 [95% CI 0.53-1.08]
有意差は出ず。

肝心のlong follow のOSだが、
(abstractには書いてませんが、裏ルートから情報いただきました)
OS中央値
60Gy: 43.5month [95% CI 30.8-56.4],5年OS 40.4%
45Gy: 22.6month[95% CI 17.2-28],5年OS 28.4%
HR0.69[95% CI 0.48-0.98]
と有意差が示された。

さすがにHRは下がっているものの
ほぼ3年PFS=5年OSということで、
今まで30%弱(実臨床だと25%ぐらいの感がある)
だった5年生存が、臨床試験だと40%になったということで
結構LD-SCLCの試験ではインパクトありの結果。

ただ、結構hyperはお国の事情もあり、流行らない国も…
というディスカッションがあったよう。
(これはScandinavian studyとあり、北欧のhyperの
 伝統はいまだ健在なのかもしれない)

むしろ、今後の多くの臨床医の興味は
CRTにICIを組み込む試験のようです。

個人的には組み合わせて
線量増加+ICIでさらに5年OS 45%ぐらいは
行ってほしいところである


もご参考に。NSCLCと同様、SCLCでも「CRT20年の壁」は
存在しています。そろそろ壁が壊れてほしい…

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