お勉強466:子宮頸がん低侵襲手術の現在
https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.23.02335
NEJMで
2018年に報告されたLACC試験の長期フォローアップ。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1806395
いわゆる開腹手術vs.低侵襲手術
84.4%が腹腔鏡 15.6% がロボット手術
NEJMの報告は中央観察期間2.5年での報告
今回は全員のフォローアップが4.5年を超えたデータ
4.5年のDFS/OSは開腹群・低侵襲手術群で
DFS:96%/85% HR:3.91 95%CI 2.02-7.58
OS:96.2%/90.6% HR:2.71 95%CI 1.32-5.59
不良の原因としては
・CO2の気腹
・がん性腹膜炎が開腹ではなかったのに
低侵襲手術では再発の26%を占めていた
(9%腹膜炎で再発している)
→操作の何らかの問題
・子宮マニュピレーターの使用
これらの点に反省を加えてStageIBに限って
ヨーロッパで比較試験が行われた
https://ijgc.bmj.com/content/30/9/1269.long
・子宮マニピュレーターを使わない→使うと再発2.76倍
・膣断端をちゃんと処理する
と成績は開腹手術ぐらいまで改善したようです。
(これらに気を払わない群と、ちゃんとした群で
明らかに差があるのが論文を読むとわかります)
https://medicalnote.jp/contents/200729-005-KC
こちらも参考にしました。
どちらにせよ、腹腔鏡やロボット手術を行う際は
かなり十分な説明と、次施設データを出すのが
大事そうです。
※
によると、
"日本では現在、4.5年無増悪生存(PFS)割合を主要評価項目とする
「早期子宮頸癌に対する新術式腹腔鏡下広汎子宮全摘術(Japanese MIS)の
非ランダム化検証試験JACC(JGOG1087)」を実施している。
また欧州でもロボット支援下手術に関する前向き試験
RACC(Int J Gynecol Cancer. 2019; 29(6): 1072-1076)が開始されており、
「決して、LACC試験で世界が止まっているわけではない」"
とのことです。
これらの結果が待たれます。