ASCOGI25 食道がんネタ

ASCOGI25 食道ネタ

JCOGネタから
https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/241249

JCOG1109とJCOG0909のデータをコンバインして解析した、
という報告
端的に言うと、ネオDCFとネオCRTのPFS/OSを出して
サブグループ解析でどの群ならネオCRTが
非劣勢か、というのを見ている
当然パワー不足で全体で有意差はつかないが、
ネオDCFの方が優位な傾向
cT1-2やUt/MtならCRTは悪くない印象
逆にLtだと壊滅的にCRTのHRは悪い。
cT3も同様。

個人的にはやっぱり心臓?の影響はデカいのかと。

https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/241265

インダクションDCF+ニボを切除不能にやってみた、という試験
参考値としてJCOG0303の
いわゆる根治的CRTのOSが13.1ヵ月で
一般論として20%ぐらいに穿孔が発生することが書かれている

DCFのみで、コンバージョンありのII相試験では 
OS中央値 33.8ヵ月 穿孔4.2%という成績があるよう

そこで、DCF+ニボを23例にまず行ってみた、という試験
78%がDCF+ニボの3コースを完遂
4.3%で穿孔、61%手術可能になったが
実際に手術を受けたのは44%
R0率90% pCR率は20%

というまだOSなどは???だが、
かなり期待できる結果。
切除不能に術前導入としてRTを加えるのがどうなのかは
今後10年ぐらいで結論が出てくるんでしょう。

https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/241281

外科的JCOG1109副次解析
JCOG1109で、
術後合併症と長期予後との間に関連は認められず。
術前治療の強化分のリスクは手術の低侵襲化で緩和されるのでは?
という結論

https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/241175

個人的にはすんごく注目していた試験
シンチリマブという中国のICIを組み合わせて
A群:シンチリマブとケモ(nab-パクリタキセル+カルボプラチン)
B群:シンチリマブと同時併用CRT
(nab-パクリタキセル+カルボプラチン化学療法および
 IMRT/IGRTによる放射線療法、合計41.4Gy)
C群:CRT単独群

をランダム化して比較してみた、
という試験対象はおおよそⅢ期でMtが多い。
R0率は100% 周術期死亡はなし
pCR率はA群13%、B群60%、C群47.3%
各群で有意差あり。
術前療法中のG3以上の有害事象の発生率は、
A群で8.7%、B群で31.1%、C群で36.4%

まぁ、pCR率の高さは魅力的なわけですが
ケモは3剤併用ではないし、
JCOG1109でも示されたように
モダリティーが違うとpCR率は
予後と必ずしも創刊しないのは分かっているので
この結果がEFSにどう効いてくるのか?
というのは興味のあるところ。

ただ、CRT+ICIでpCR率がこれぐらいあるなら、
当然経過観察のarmを作ってみたい、というのが
放射線治療医側の意見で、そういう希望はかなりある。

Xから現地のスライド
ESOPECが論文発表されたのも併せて喧々諤々

あくまで「海外はこんな感じ」
というスライド。GEJがメインの話なので、かなりJCOG1109蚊帳の外。
SCCの場合はケモラジ(CROSS)→non-pCRならニボ
Adの場合はESOPEC、FLOT不耐ならCROSS(術前ケモとは相談)
という感じのスライド

海外では日本に出遅れること10年ぐらいで
今更食道のW&Wというか、食道温存を
考える、というのが始まっているよう。
(JCOG0909はコンセプトとして早すぎた?)

・いわゆるCRT後のcCRの判定は?
→むずい。噛みまくって生検しても、PETでも10~15%偽陽性
・どうやってサーベイランスしていくか
→ほとんどの(局所)再発は2年以内なので
 一年目は3ヵ月に一回、2年目は4か月に一回
 3年目は6か月に一回、4~5年目は1年に一回
(個人的には全然足りないと思う。JCOG0909を見習え)
・いわゆる時間がたってからのサルベージ手術のリスクは?
→もう少し見守る必要あり。短いフォローでは
 そこまでOSは変わらない。近年の低侵襲手術では
 リスクは以前ほどないのかもしれない
・食道温存が日常臨床に入るにはどのくらいのエビデンス要?
→直腸のNOMの例を挙げつつ、エビデンス構築には
 時間がかかりそう、という結論

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