お勉強495:低用量カルボプラチン併用CRTからイミフィンジ

https://www.esmoopen.com/article/S2059-7029(24)01709-5/fulltext

JCOGの試験JCOG1914でも残って標準治療となった


JCOG0301レジメン

https://jcog.jp/document/s_0301.pdf

https://pulmonary.exblog.jp/18393488/


低用量カルボプラチン(毎日を20日間同日投与)+60Gy
をデュルバルマブと組み合わせてみた試験。

イントロダクションによると
この時のPFS中央値は8.9ヵ月
5年のOSは15%程度だったとのこと

PACIFICでは70歳以上の高齢者(22.2%)でも
70歳未満とほぼ同等の効果・有害事象であったが
当然プラチナダブレットができた人であり、
JCOG0301に入った人とは全然異なっていたことが
予想される。PACIFICの群であっても
10.4%いた75歳以上のPFS中央値は
75‐70歳、70歳未満と比べて不良な傾向であった
(19.2ヵ月)

JCOG 0301の適応となるようなfrailな群での
データを前向きに集めるII相試験、という形。
75歳以上やPS 2も含んでの解析という触れ込み。

PS 0/1の75歳以上、PS 2の74歳以下の
UICC8thでのJCOG0301レジメンで
>40Gy、カルボプラチンは11日以上投与できて
CRT後PDではなく、PS2以上で
肺臓炎なし、G2以上の有害事象を認めなかった患者が
解析適応になったよう

放射線治療としては
V20は30Gy未満になるように。IMRTも入っていたと。

86人の患者がCRTを受け、
61人(70.9%)がデュルバルマブ治療の地固めに
(若い人のリアルワールドデータでは75%という
 報告があり、ほぼ同等の値とディスカッションで
 筆者らはのべている)

主な除外理由は
7名がPD、5例が肺臓炎、4名が医師判断

61人中 
PS:0/1で75歳以上、74歳以下でPS:2
が28/26例・7例(45.9%/42.6%・7%)
年齢中央値は78歳 男性82%
Adが36.1% 既喫煙者が86.9%
ⅢA/B/Cが50.8/44.3/4.9%
7人EGFRmut
PD-L1ポジティブが50.9%

61人のデュルバルマブ療法の完遂率は26.2%。(完遂16人)
「デュルバルマブ開始後」の
12ヶ月後の無増悪生存率は51.0%。
一応目標としていた、デュルバルマブ後の
12ヶ月PFSは期待値35%を超えたので
ポジティブ試験、という結論。

(PACIFICの12ヵ月PFSは55.9%らしい)

PFSの中央値は12.3ヶ月
OSの中央値は28.1ヶ月

CRT開始からは
PFSの中央値は11.5ヵ月
OSの中央値は26ヵ月

PS2の人の
PFS中央値は6.6ヵ月
OSの中央値は15.6ヵ月
であったとのこと

化学放射線療法後の客観的奏効率は47.0%、
デュルバルマブ治療後は57.4%

G3/4度の有害事象として肺炎が8.2%
G5 1名あり。(IP)

普通のプラチナダブレットのCRTができない人に
カルボプラチン低用量レジメンから
デュルバルマブはなかなか魅力的なのでは?
という結論。
個人的にはカルボプラチン低用量レジメンを
やったことはないのですが、
高齢者でも可能なこのようなCRTレジメンや
RT単独レジメンからのデュルバルマブはアリと思います。
(RT単独レジメンからデュルバルマブは
 AZ社主導で臨床試験やってるはず)

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