お勉強483:ごく低線量で脳転移は予防できるのかも。
https://www.ctro.science/article/S2405-6308(24)00088-0/fulltext
近年ではいわゆるワンアイソセンターで
まとめて定位、というのができるようになり
たぶん今後もどんどん進出してくると思われる。
そこで、繰り返しHyperArcした患者さんを解析してみました論文。
少なくとも2回HyperArcした
56人の患者の702個の脳転移に197コースのHyperArc治療を実施した
データ(少々やりすぎでは…)
分割照射ももちろん含んでいる
肺がん(26人)、乳がん(18人)、メラノーマ(8人)、その他(4人)
一応3か月以上間が空いていて、治療時に全身の進行なし
以前の全脳照射歴なし、というのが条件。
PTVマージンは0~2㎜(1㎜が83% 2㎜が16.5% 0㎜は3%と)
25Gy/1f~24–27Gy/3frというのが処方線量らしい
(大きさや照射歴で決めているらしい)
GTVの容積の中央値は0.1cc
一回ごとの総体積は2.8ccと
播種性再発や症候性転移になったらWBRTしたようです
(23.2%の人が必要だったと。2年で3割の人がWBRT)
基本評価はMRI
治療後1.5~2か月で評価MRI
フォローは最初の2年は3か月ごと
その後3年は4~6か月ごと
OS
頭蓋内無増悪生存期間(iPFS)
局所制御率(LC)などを評価
再発パターンをincidentalな線量も含め評価
1年OSは70%、MSTは20.8ヶ月
中央iPFSは4.9ヶ月、1年iPFSは15%
1年および2年局所制御率は90%と79%
BEDが高いこと(中央値の51.3Gyを一応閾値としる)
とメラノーマじゃないことがOSの改善とむずびついていると。
local PFSはBED 70Gy以上が予後良好因子
放射線壊死はわずか2病変(0.28%)
(観察期間が短いのもあるだろう)
G3以上の臨床毒性はなし
再発の96.4%はNTD2Gyで7Gy以下の線量領域で発生とのこと
(さらに言うと48%は1Gy以下と)
仮に予防的にWBRTをSRTに組み合わせるなら
WBRTの線量はかなり少なくてもいいのかもしれない、
というデータと取る、というのは筆者らも述べている。