お勉強194:照射するか、しないか?


https://twitter.com/DrSpratticus/status/1430623627989426182

https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.21.01083

マンモグラフィーで発見された
低リスクDCIS
(核グレード低、中リスク、
サイズ小(参加者の平均サイズ6㎜)、
 断端3mm以上、ホルモン陽性)
に照射するか、しないかの比較試験

結果としては局所再発は半分程度になり
「意味がある」という結論
照射ほどではないが、タモキシフェンも予防効果あり。

ただ、Twitterには批判的吟味が。
・NNTが決して低くはない 
(これは再反論されていてそうでもないが、NNT12ぐらい)
・生存率は常に照射群が下
 (優位差はないが、少なくとも生存や遠隔転移発生率は
  改善しない)
・対側乳癌は増える
・再発しても乳房切除でなく、部分切除で
 充分救済の可能性がある
(これは日本ではちょっと難しいかもしれない)
・医療者的には「副作用の少ない」乳腺照射だが
 患者側から見ると?

乳房温存療法の意義は文字通り
「綺麗な乳房を残して乳がんを直すこと」
という意味で、再発を防ぐ、というのは意義があることは
間違いない。日本人の乳房は(海外に比べると)小さめ
なので、再発時の温存はどうしても形が崩れがち。
そういういみではDCISに照射、というのは
意味があることは間違いないが、再建と比べてどうか?
乳房再建は夢の治療ではないということは十分
認識しているし、ある意味確率は決して高くはないが
結果的に全摘状態になるリスクはある。

極論を言う先生だと「低リスクDCISは経過観察」
という意見もあるらしい。

決して悪ではないが、意義と副作用をきちんと話して
shared decision makingしましょう、という示唆。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?