お勉強500!! MSI-H/dMMR結腸癌、IO+IOが天下を取るか?

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2402141


みんな大好きNEJMから。
MSI-H/dMMR大腸がん(大腸がんの4~7%)は
化学療法があんまり効かなくて、
ペンブロ単剤(KEYNOTE-177試験)
の結果からペンブロ単剤が好まれて使われてきた。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2017699

https://www.gi-cancer.net/gi/ronbun/archives/202102-01.html

この試験

※最近5年成績出ました
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39631622/


のPFS中央値は
ペンブロ群:16.5ヵ月
ケモ群:8.2ヵ月

今回、はニボ、ニボイピを使った
CheckMate 8HW試験結果。イポニビの成績がメイン
CTLA-4の上乗せがどうか、というのが焦点。

多国籍第3相オープンラベル試験

303名のMSI-H/dMMR患者を対象に、以下の3群に無作為化。
・ニボルマブ+イピリムマブ併用群
(イピリブマブはどうも最初の12週、つまり4回しか使わないよう)
・ニボルマブ単剤群(イピニボとの比較)
・化学療法群(FOLFOXまたはFOLFIRI±標的治療薬)(イピニボとの比較)

主要評価項目はPFS、OS、安全性、健康関連の生活の質(HRQoL)

以下はニボルマブ+イピリムマブ vs 化学療法の結果

※イピニボ群では疾患進行と同じぐらい副作用で
 治療をやめている人がいる
 だが、割合としてはその倍以上ケモ群が副作用で辞めている…

24カ月PFS率:
ニボルマブ+イピリムマブ群:72%(95%信頼区間[CI], 64–79%)
化学療法群:14%(95% CI, 6–25%)

PFS中央値
ニボルマブ+イピリムマブ群:到達せず
化学療法群:5.9ヵ月

(HRは良く分からないがviolatedで出せないと言っている)

グレード3/4の治療関連有害事象:
ニボルマブ+イピリムマブ:23%
化学療法:48%

生活の質:
ニボルマブ+イピリムマブ群で有意な改善が見られた。

◎ペンブロリズマブ(KEYNOTE-177試験)との比較
※上で添付しているKEYNOTE-177の結果と比べると
 イピニボのパワーはかなりスゴイ。

※KEYNOTE-177試験ではペンブロリズマブの
 24カ月PFS率は48%、3年で42%、5年で34%。
 CheckMate 8HW試験の結果では、
 ニボルマブ+イピリムマブ併用療法が2年PFS率72%を示す。

※RAS/BRAF変異の影響:
 ペンブロリズマブでは
 RAS変異を有する患者でPFSが化学療法に劣る傾向(HR: 1.19)
 ニボルマブ+イピリムマブでは全てのサブグループで
 優れたPFSが確認。

※肝転移への効果:
 ペンブロリズマブでは肝転移を有する患者で短いPFSが観察
 ニボルマブ+イピリムマブでは肝転移の有無にかかわらず一貫した効果

効かない群や効かないといわれる転移巣に
イピリブマブをだらだら使わない、
「ブースト」的な併用免疫療法は
個人的には原理的にも納得できるもので、
こういう「プライミング」の使い方が良いのでは、、、

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