お勉強408:運動と健康的な食事で、化学療法の強度は変わらない、がpCR率が…
https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.23.00871
乳がんでのお話
乳がんでは腫瘍内科的なことがいろいろわかっていて、
根治治療の際は相対的投与量強度(RDI)ががん死亡率に関与している
※処方された量に対する投与された化学療法の割合
だからケモを減らさないようにするのに
腫瘍内科医の腕が問われるわけです。
運動・健康的な食事でRDIが上がらないか?
という趣旨のランダム化比較試験
乳がんの治療後の
適度な運動や健康的な食事は
乳がんの予後を改善させることは知られているとのこと
ASCOのガイドラインでも(乳がんに限らず)
適度な運動は推奨されている
一方エビデンスは限られていて、RDIが
改善された報告もあるが、そうでない報告もあると。
栄養指導に関してはエビデンスは全然ないらしい。
対象はI期~III期乳がんの化学療法を受ける人
運動ができて1日に7種以上のフルーツや野菜を食べてない人
通常のケア(UC;n = 86)と
腫瘍科認定登録栄養士によるカウンセリングセッションを伴う
在宅での運動および栄養介入(n = 87)
にランダムに割り付。
Her2やホルモン状態、予定されているケモの数などは
割付因子に入っている
一応介入で運動習慣・食習慣は変わっている
電子カルテからアウトカムは抽出。
介入に割り付けられた参加者は、UCと比較して
運動および食事の質の改善が大きかった(P < 0.05)
(あくまで患者個人の報告)
RDIは
介入群で92.9%±12.1%、
UC群で93.6%±11.1%であった(P = 0.69)
RDI85%以上を達成した患者の割合は、
(一応この値が予後を分けるRDIの値なんだそうです)
介入群で81%、UC群で85%であった(P = 0.44)
少なくとも1回の減量および/または遅延があった患者の割合は、
介入群38%、UC群36%であった(P = 0.80)
な・の・に
ネオアジュバント化学療法を受けた女性72人のうち、
(luminal typeとTNだけだったようだが)
介入群でpCRが多かった。(53%対28%;P = 0.037)
という???な結果。
筆者らは運動や影響で免疫・炎症・代謝経路が
変わったり、血流で低酸素が減ったりしたのが原因か、と考察している
BMIが低いこととpCRの関連は副次エンドポイントで
RDIがメインエンドポイントなのでそこは割り切ってね、とのこと