お勉強57:PCNSLの治療はどこへ向かうか?
https://meetinglibrary.asco.org/record/185073/abstract
https://oncolo.jp/news/200625y02
PCNSLに対して
リツキシマブ+メトトレキサート
+プロカルバジン+ビンクリスチン+シタラビン
というコテコテレジメンに
低線量WBRTを足すか、足さないかの
ランダム化II相試験。
初期反応は変わらないが、WBRTを加えると
PFSは優位に差がつく。OSはまだimmature
ケモだけでは足りないのをWBRTで上手に補った感じ。
昔某先生が、コッテリケモして23.4Gyの
WBRTなら認知障害はほとんどない、と言っていたが
もともと https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.2007.12.5062
この論文がもとと思われる。
実際この発表はメモリアルスローンケタリングの先生が
絡んでおり、このJCOの論文の流れを汲んでいると思われます
実際ケモ単独群とlow dose WBRT群で認知障害は差なし。
(進行した症例での認知機能低下もそれなりに含まれていると思われる)
https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.18.00306
こちらは移植(ASCT)した報告。
対抗アームは移植せず全脳40Gy
OSは変わらないが、PFSはかなり良い。
若い人にはこっちのみちもあるだろうが、
いかんせん治療関連死も多いし、WBRTを若い人で
ここまでしないことにこだわるのも…
(WBRT群で認知能力は低下しているが…)
https://www.jsn-o.com/guideline3/index1.html
最終的にはエキスパートたちが集結して
作っていただいたこの日本のガイドラインにすべてがあるわけですが、
個人的には
ごく選ばれた若年者ではASCT、
リツキシマブ+メトトレキサート+プロカルバジン
+ビンクリスチン+シタラビン+低線量WBRT
に耐えられるぐらの高齢者は一番上に紹介したレジメン
現場にあふれているPCNSLで多剤併用ケモ
できない高齢者は
(実際、これが論文もなく一番困っているのだが)
まずは高容量MTX、反応に合わせてWBRT。
個人的には効いたらむしろWBRTを加えるべしな派
奏功時標準は30Gyとされているが
MTX効いたら23.4Gyでもいい気もする
効かなかったらMTXでできるだけ粘って
PS低下したら40~50Gy のWBRT
というところでしょうか。
高齢者のWBRTのタイミングは難しいところ…
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