ASCO2024 プレナリーざっとまとめ

とりあえず、ASCO24プレナリーざっと眺める

※ESOPEC

https://x.com/KrishanJethwa/status/1797337064683274680

https://dailynews.ascopubs.org/do/asco24-first-look-dr-julie-gralow-esopec

日本のJCOGの試験と似ているが、
いわゆる術前FLOTとCROSS(術前CRT)との比較

JCOG1109との主な違いとしては
CROSSはケモがカルパク
FLOTは、
5FU+ロイコボリン+オキサリプラチン+ドセタキセル
術前・後両方入れている(8Kur)
対象が腺癌
cT2~T4 N0~1

結論はFLOT>CROSS
いろいろツッコミどころや
背景はTwitterに詳しい。

まぁ、術前(強力な)化学療法、という
ように流れていくのでしょう。

に関しては、JCOG0909が先進的過ぎた、
ということで、海外では今更食道のNOMとかW&Wとか
言われています。

※LAURA
◎すでにNEJMに論文が出ていますし、
放射線治療医としては重要な試験なので、
後日深堀だします。

https://x.com/_ShankarSiva/status/1797357991546470410

(ツリーになってます)


https://dailynews.ascopubs.org/do/asco24-first-look-dr-julie-gralow-laura

EGFR+の局所進行肺がんにCRT後に
プラセボvs.オシメルチニブ
(クロスオーバーあり)
PFSでオシメルチニブ群 圧勝!
mPFS 5.6ヵ月vs.39.1ヵ月

ぜんぜんmatureではないが
OSはHR0.81でややオシメ有利
ADAURAの結果を見ると、OSも差がついてくる
可能性はある。

放射性肺臓炎がメジャーな副作用だった。
ただ、オシメで重症なものが増えた、という
わけではないよう。

お金の問題などいろいろ考えることはある。

※NADINA

https://dailynews.ascopubs.org/do/asco24-first-look-dr-julie-gralow-nadina

切除可能Ⅲ期メラノーマが対象の試験。
IO+IOのイピニボを術前vs.術後で比較のIII相。

もっと詳しく各アームを書くと結構複雑なので
ASCOのまとめサイト参照のこと 

予想以上のEFSの差。
HR0.32
やはり術前のほうが免疫環境がいいとかそういうことなんでしょうね。
BRAF変異の有無で大きい結果の変化はなし。

※ADRIATIC
◎こちらも放射線治療医としては
 大事なものなので、いろいろ深堀り予定

https://x.com/NReguart/status/1797369372844994874


https://dailynews.ascopubs.org/do/asco24-first-look-dr-julie-gralow-adriatic

SCLC-LDにPACIFCと同様にアジュバントイミフィンジは
効果があるのか?
PACIFIC同様、CRT後ランダム化
RTは45Gy/30Frb.i.dだけでなく
欧米では割とメジャーな60~66Gy/30-33FrもOKだったよう。

→あります!OSでも差がつきました!

デュルバルマブの
全生存期間中央値は55.9カ月、プラセボでは33.4カ月
ハザード比は0.73。
24ヵ月全生存率は68%対55%、
36ヵ月生存率は56%対47%

PFS中央値は
デュルバルマブ群16.6ヵ月、プラセボ群9.2ヵ月

重篤な有害事象は大きく両群で変わらず。
AE中止はイミフィンジ群で多い。

イジュド併用はオープンされていないと。

※日本とは違うのか、50%以上がPCIを受けていると…

※REACH

https://dailynews.ascopubs.org/do/asco24-first-look-dr-julie-gralow-early-palliative-care-delivery

早期からの緩和ケアの重要性は当然
ASCOも重視しているわけだが、
リソースなどの問題もあるわけで…
直接対面vs.遠隔ビデオ での緩和ケアについての
発表 非小細胞肺がん1250人でのRCT
非劣勢証明(というか、むしろQOL的には上に来ている)

一か月ごとのセッションだったらしく
time toxicityの問題も効いたのか?
介助者の負担も低下したと。

無論、だから
「遠隔ビデオに全部移行」は×なわけだが、

https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/232436

で追加解析が行われており
‘段階的緩和ケア‘として
進行肺がんと診断された直後に1回だけ直接受け、
その後は治療法の変更か入院がない限り受けず、
その後は4週間ごとに戻す段階的アプローチとの間で
差があるか?と調べたところ
両群間で差がないことが示されたとのこと。

要は良好な経過をたどっている患者に対しては、
治療法の変更、腫瘍の進行、
入院などの大きな出来事が起こったときに
緩和ケアチームを利用することで、
QOLのアウトカムは同じということだったとのこと。

国ごとの背景、患者マインドの差なども影響するので
日本にすべて外挿、というのは適切ではないだろうが
緩和ケアの受け皿が非常に限られている中で
患者へのアプローチを画一的に
していく必要はないだろう、という結論と取るべきか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?