お勉強472:日本の子宮頸がん治療成績
https://link.springer.com/article/10.1007/s11604-023-01439-6
日本での3D-IGBTと2D-IGBTでの局所進行子宮頸癌での成績・副作用の
レトロスペクティブに解析。香川大学グループからの報告っぽい。
2施設での
2007年から2021年の間に腔内照射を受けたStage IB-IVa患者を
3D-IGBT群と2D-IGBT群に分けて解析(時代背景用考慮)
PAN転移は除外項目ではない
評価項目は
・局所制御(LC)
・無遠隔転移生存(DMFS)
・無増悪生存(PFS)
・全生存(OS)
・消化管毒性(G3以上)
を治療後2/3年の時点で調査した。
ケモはCDDPかPTX+ネダかカルボ
対象は
2007年から2016年までの2D-IGBT群71例
A点処方5.5‐6.5Gy/Fr total 12-24Gy
2016年から2021年までの3D-IGBT群61例
HR-CTVにD90で5.8-6Gy
直腸・S状結腸 D2cc<6Gy 膀胱D2cc<7Gy
2例ハイブリッド
追跡期間中央値は
2D-IGBT群で72.7(4.6-183.9)ヵ月、
3D-IGBT群で30.0(4.2-70.5)ヵ月
年齢中央値は
2D-IGBT群で65.0歳(40-93歳)
3D-IGBT群で60.0歳(28-87歳)
FIGO病期、組織型、腫瘍の大きさに群間差はなし。
外照射は2020年までセンターブロックあり、
50~50.4Gy
リンパ節には4~10Gyboost
2020からSIB-IMRT45/55Gy 25Fr
治療において、
A点線量中央値は(EQD2)
2D-IGBT群で56.1(40.0-74.0)Gy
3D-IGBT群で64.0(52.0-76.8)Gy(P < 0.0001)
HR-CTVD90の中央値は70.9Gy(53.7-93.5)
化学療法を5回以上受けた患者の割合は
2D-IGBT群で54.3%、
3D-IGBT群で80.8%(P = 0.0004)
2/3年LC率、DMFS率、PFS率、OS率は、
2D-IGBT群でそれぞれ
87.3%/85.5%、77.4%/65.0%、69.9%/59.9%、87.9%/77.9%
3D-IGBT群でそれぞれ
94.2%/94.2%、81.8%/81.8%、80.5%/80.5%、91.6%/83.0%
PFSに有意差が認められた(P = 0.02)。
G3以上のGU/GI有害事象は2年・3年で
2D-IGBT群で3.3%/3.3% ・12.4%/16.5%
3D-IGBT群で6.1%/6.1% ・10.3%/14.0%
GIもGUも穿孔が多い。
と比べては少ないような印象。
ちなみに3D-IGBT群では腸穿孔が4例認められ、
ただし、そのうち3例にはベバシズマブ治療の既往があり。
BEVは注意が必要、ということのようです。
(上記の試験もそういう症例があるのかもしれないけれど)