お勉強85:サンアントニオ2020から乳房温存ネタ

サンアントニオから乳腺RTネタ2つ
どちらも日本の実臨床とはちょっと乖離あり。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/202012/568251.html

海外では割とBoostの適応は広いし、線量も高い。
やるとしてもブースト16Gy/8Frは日本ではまず行われない。

ただ、局所再発率のP値やHRはかなり差が
(相対的には)あり、線量に関しては
議論があるが、high risk DCIS(結構適応多い)に対して
Boostする、ってのは日本でも行っていいのかもしれない
(日本のBoostの基準は主に断端や年齢のみのことが多い)

ただ、「小さめ」の乳房の方にBoostを広い範囲でするのは
ちょっと引け目を感じるのも事実。

寡分割の照射に関してはかなりエビデンスが蓄積されて
私の施設でもバンバンやってます。
ただ、PMRTの寡分割はまだ踏み込んでいません…

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/202012/568245.html

「65歳」というと、日本では余命20年程度
あるわけで、局所再発率がこれだけ違うとねぇ…

どちらにも言えることですが、
「乳房温存療法」の目的の一つは「乳房を温存すること」
なわけで、OSが一緒だから照射省略でいいよね、
というのならば「乳房温存せずに乳切でいいよね」
という前時代と同様の議論を言っているのではないか、
と放射線治療医としては思うのですよ。

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