絵本を作るために学校に通う1年間〜表現してもいいと気づいた前半〜
絵心もなく、どちらかといえば絵を描くことには苦手意識があり、高校では迷うことなく「書道」を選択していた私。
そんな私が絵を描くことを仕事にする?なんて考えてもいませんでした。パステルアートの教室をやっているなんて今でも考えられません。私は心に興味があるので、アートはそのきっかけの一つに過ぎないのです。
そんな私が絵本を作る。その経緯は前回書いた通りです。やりたいと思ったらとにかくやってみる、新しい学びにワクワクしていました。
私が通ったのは↑こちらの絵本の学校です。
体験授業に行った日、松本えつを先生に初めて会ってみて「あ、私はここに通うことになるな」と直感で思いました。理由はよくわからないけれどそういう感覚を大事にしたいと思っています。
週に一回の土曜日、私は1年間四谷に通い続けました。同期の仲間は13人で(途中12人になりました)回を重ねるごとにそれぞれの個性が花開いていくようでした。
絵本の学校で学んだのは、出版のことや絵本の作り方だけではなくて、自分自身との向き合い方だったり未来設計だったり、本当にやりたい事の見つけ方だったり。絵本を作ることって、セラピーのようなものだなぁと途中で思わされることになります。
何よりも私は、「どんな絵本を作りたいか」というところがはっきりしていなかった。(致命的)
ただただパステルアートを使って、なんか自分の伝えたいことを文章にして絵本を作ってみたいな〜とぼんやりとした目標しか立てていませんでした。
その自分が伝えたいこと、すらなんだか霧の中。なんなの?私が伝えたいことって。
デッサンの練習してみたりもしたし、絵コンテの書き方も習ったし、企画書の作り方とかデータの作り方とかも習った。
ちょっと待って、その前に入学してすぐにやった授業が私の中では印象に残ってる。
自分が明日いなくなるとしたら、誰にメッセージを送る?と考えて手紙を書くという授業。絵本って究極は手紙なんです。子供宛でも大人宛でもどちらでもいいけれど、私が本当に伝えたいことを詰めるのが絵本なんですよね。
あと、おべんとう絵本を作るワークをやった授業も楽しかったな。丸だけを使ってとにかくページを先に作って、後から文章を考えて小さな絵本を作る。こういう直感で作るものが私は大好き。イメージがもくもくと湧いてくる。
一回一回授業を終えるたびに、私は「自分が表現することは許されるんだ」「表現してもいいんだ」「表現するって楽しいんだ」と自分の中にあるものを出して、それがみんなに伝わって認めてもらえるという喜びを味わっていくのでした。
表現してもいいんだ、そんなの当たり前と思われるかもしれません。でも、何かを封印してしまっていた私には大きく立ちはだかる壁でした。
曼荼羅ワークも同時に進めていて、基礎マスター講座を教えることができるようになっていました。週に1度くらいのペースではありますが、定期的に講座も行いながら、絵本の教室に通い学びを深めていきます。
半年ほど経った頃に、企画発表会という絵本の企画をそれぞれ考えて発表する会があり、それに向けてそれぞれが絵本作りに向き合っていました。さて、私はどんな絵本を作ろうか…もう少し絵本の話が続きます。