黄金の夕暮れ
空が暗かった。
それなのに、あたり一面の建物が
黄金色に光っていた。
それは、おもちゃのように華奢で、
おとぎの国のように豪華で
この世のものではないような
そんな風景。
たそがれ、と入れると、「黄昏」に自動変換になるんだね。
黄金の夕暮れ時だから、たそがれ、と呼ぶのだろうか。
友人の訃報、親戚の重病、知人の危篤...........
人生のたそがれ時は、なぜにこんなにも哀しいのだろう。
哀しいことばかりが、押し寄せてくる。
いつかやってくるはずの暗闇のひとつ前の輝き、
それは、
線香花火の丸い光の球が落ちる一瞬前に大きく輝くそれのように
夕暮れの空は、暗闇に向かって崩れていった。
映画のセットみたいな 黄昏時