月丘菜奈

街での発見、 小さな日々の想いを 書き留めていきます。 古い建物が好き 昭和のグッズが好き 音楽や芝居が好き カフェのご飯が好き そんな好きを綴ります。

月丘菜奈

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最近の記事

居場所

下書きしたまま忘れていた「居場所」の記事 今、私の居場所ってどこなんだろうな この世からいなくなってしまうかもしれないなんて、居場所どころかこの世に居ることができなくなるなんて、全然思わずに突っ走り続けた、がんの闘病期間。 その時、大切なメッセージを受け取った場所が、マギーズ東京でした。 あのころ、SNSで出会った仲間たちはみんなお空の向こうに引っ越してしまった。 また、いつか会おうね。 きっと、私のこの「今日」に、意味があるのだと思えるから。 1日に、一回だけ、良いこ

    • 百日紅

      百日紅は、夏の桜なのだと聞いた。 真夏なのに、桜のような柔らかな桃色に 蚊取線香の香りが漂ってくるような あの日の縁側に戻れるような そんな気がする。 夏の空は澄みきっていて、涙が出るほどの青さ。 時代が巡って、もう戻れないところまで来てしまった。 いったい今から何ができるのだろう。 人生の最終章。 それなのに、 思い通りにならない日々と こんなはずじゃなかったのに、という後悔と焦りとで 足元から、冷えた風が立ちのぼってくるような感覚をおぼえる。 諦

      • 黄金の夕暮れ

        空が暗かった。 それなのに、あたり一面の建物が 黄金色に光っていた。 それは、おもちゃのように華奢で、 おとぎの国のように豪華で この世のものではないような そんな風景。 たそがれ、と入れると、「黄昏」に自動変換になるんだね。 黄金の夕暮れ時だから、たそがれ、と呼ぶのだろうか。 友人の訃報、親戚の重病、知人の危篤........... 人生のたそがれ時は、なぜにこんなにも哀しいのだろう。 哀しいことばかりが、押し寄せてくる。 いつかやってくるはずの暗闇

        • 領域拡大 

          Psycho le cemu のLive Tour「RESISTANCE~領域拡大~」 HEAVEN’S ROCK宇都宮VJ–4へ行ってきた。 久しぶりのスタンディングLIVE 爆音と、 サイリウムの光が揺れるたび テンションが、あがっていく。 Psycho le cemu に、心救われた夜でした。 ありがとう、音楽 ありがとう Psycho le cemu そして、美味しいニラ蕎麦、レバーの煮付け、揚げ茄子。 ありがとう、美味しいもの ありがとう、命 次回、宇

          新宿眼科画廊

          久しぶりに芝居を観た。 劇団 喜劇のヒロイン  新宿遊歩道公演「仕事中御免」 若いパワーの交錯が眩しい。 仕事って何? 生きるって何のため?  死ぬってどんな意味? 考えてたら、ふと涙が出そうだった。 終演後、客出しのスタッフさんの笑顔が嬉しくて、それもまた泣きそうになった。 こういう裏道、とても好き。 この落書きを眺めながら、さっきの芝居に出て来た地獄について、考えこんでしまう。 そしてそれから、扉が閉まった花園神社に参拝。 境内の風情ある看板に心惹かれる。

          新宿眼科画廊

          東京倶楽部

          「あの日に帰りたい」 あの日に 帰れたら いいのにね

          東京倶楽部

          悲しくなるもの

          道に落ちてる小さな赤ちゃんの靴下のかたっぽ 公園の垣根の下に隠してあるゴムボール 雨に濡れた青い三輪車 毛糸のボンボンが付いた小さい三角帽子 夜道を走るロードスイーパー 都電の踏切の警告音 雨の音と、水色の90センチのレインコート 歩くとピカピカ踵が光る18センチのスニーカー キルティングのレッスンバック きかんしゃトーマスの主題歌 ごめんね、本当にごめんね、もう、戻れないのにね。

          悲しくなるもの

          見送り

          あの日、カフェを出てから 笑顔のひよりが、じゃあね、と、駅へと歩き出した。 駅の方向にくるりと勢いよく向いたひよりの長い髪が、揺れて半回転した。 それからだんだん小さくなっていく後ろ姿を私は見送りながら あぁ、もしかしたら、この子と、もうすぐ会えなくなる日が来るのかもしれない、でも、なにがあってもこの後ろ姿だけは忘れないな、 って、そう思ったんだよ。 もしも生まれ変わって、何百人、何千人の、人の群れの中にあっても、絶対にわかる、すぐに、ひよりちゃんだってわかる、後ろ

          地元

          中学2年生まで父の仕事のの都合で各地を転居してばかりだったから、 故郷と呼べるところが無い。 だから結局一番長く住んでいるこの街が、 私のふるさと。 若者たちは、生まれ育った故郷のことを「地元」と呼ぶ。 地元....しっくりくる言葉、そう、私の地元。 この街で、たくさんの人とのふれあいがあって、数えきれないほどのできごとがあって、 それが今では、全部が想い出。 何年も何年もの間に、新しいビルが建ち、店舗が変わり、マンションが建ち並び、景観は変わり続けているけれ

          BIG WAVE

          幼い頃の想い出は、口の中に飴玉を放りこんだよう。 甘く懐かしく丸く優しく、溶け出す香りの中に、 苦い何かが混ざっていて 苦いとこだけを吐き出そうとしても、そうはいかない。 今の私なら、 おとなたちのそれぞれの複雑な感情にも、過ちにも、いきすぎた思いにも、 少しは寄り添えたかもしれないけれど 子どもだった私には、どうやったって無理だった。 ラジオから流れてくる音楽はいつも昭和っぽい音質。だから、好き。 もしも、BIG WAVEに乗っかって、波の隙間から 6歳

          七夕のゆうべ

          七夕の短冊は、 いつだって、人々の吐息でできていて 風に揺れる願い事を見ていると せつなくて胸が苦しい。 「かよちゃんが回復しますように!」 夏の夕焼けの向こうが、きっと、サンフランシスコ

          七夕のゆうべ

          突き抜ける青い空

          めざましのアラーム音を、 KAT-TUNの「僕らの街で」にしてみた。 イントロで目が覚めて、そのとき少しだけ泣きそうになる。 本当は声をあげて泣きたいことばかりなんだけど、 泣けないまま シャワーを浴びて、 歯を磨いて、 支度して、 サプリメント飲んで、 薄くメイクして、仕事に出かける。 こんなにも暑いから、よけい涙なんか出ない。 僕らの街で、出会った2人が、今も幸せだといいな。 でもなぜ、私たちが出会ったあの街に でもなぜ、私たちが つどったあの街に もう、あなたは、

          突き抜ける青い空

          僕らの街で

          僕らの街で