伝えることを諦めずに!
昨日は土用の丑の日でしたね。
皆さんは鰻召し上がりましたか?
以前、秋刀魚の蒲焼を食卓に出したことがありました。食卓についた夫が「給料日でもないのに今日は鰻か?」と喜んで口にし、食べてもなお秋刀魚と気が付かなかった経緯があり、以来我が家では勿体無くて鰻は食卓に上らなくなりました💦
そういう夫なので食事にはうるさくなく、買って来たお惣菜を並べても文句を言われることはありません。
けれども、得意な訳ではありませんが私は料理が好きです。家族が手料理を美味しいと言って食べてくれることは私の喜びでもあります。
くも膜下出血で長期間入院生活を余儀なくされていた時には「早く帰って料理がしたい」と、退院したら作る献立リストを考えたりしていました。
ところが、退院後好きな料理が思うように出来なくなりました。のちにわかった高次脳機能障害のせいです。
複数のコンロを同時に使って料理をすれば不注意で焦がしてしまう。換気扇を回せばその音が気になって何をすれば良いのかわからなくなる。レシピを見ても目を離した瞬間に忘れてしまう。
正直ショックでした。同じようなおかずをいくつも作ってしまったこともあり、キッチンでうずくまって泣いたこともありました。
一体どうしたら良いのか?
高次脳機能障害と診断がついたあと、療法士さんに相談したことがありました。
しかし、返って来たのは
「今の時代便利なものもたくさんありますよ。炒めるだけの半調理品を使ったり、スーパーのお惣菜を使ってもいいんです。私も最初はお惣菜を使うことに罪悪感がありましたけれどね。ご主人も理解してくれると思いますよ」
という言葉でした。
確かに味に頓着のない夫はスーパーのおかずでも文句を言うことはないと思います。私も罪悪感でお惣菜を使いたくない訳ではありません。ただ、私は好きだから料理がしたい、それだけなのです。
でも、私の真意は上手く伝わりませんでした。
当時2人の女性の療法士さんに担当してもらっていましたが、どちらの方からも同じような答えが返ってくるばかりで、私は諦めてしまいました。
一体どうやったら本当に言いたいことが伝えられたのだろうかと考えることがあります。
表現は悪いですが、私は手を抜いて食卓に食事を並べたい訳ではありません。時間がかかってもいいから、何か出来る方法を知りたいのです。
回復期にいる時に時々感じたことですが「家事だから多少手を抜いてもいいでしょう」そういう風潮がある気がします。
もちろん、外での仕事と違って家族さえ納得してくれれば文句を言われることはありません。でも、みんながみんな家事が嫌いな訳でも手を抜きたい訳でもないと思います。
今は肩の痛みなどもあるため、夫は買い物を始め色々と家事を手伝ってくれます。でも、いずれは出来ることは自分でやりたいと思っています。
「無理しなくても良いのではないか」とも言われますが、無理をしても出来なくなってしまったことがたくさんあるのです。だからこそ、やれることは自分で誠意一杯やりたいと思っています。
そしてそのためには、これからは諦めずに自分の真意を伝える努力をしていこうと思います。