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大切なことを思い出せるところ


療法士さんの感想

先日、当事者会に参加しました。
主催者のお人柄なのか、いつも穏やかでゆったりとしたひとときです。

勿論、辛い経験を話し参加者が涙する場面もありますが、最後は笑顔で解散となるのがいいなと思っています。

この日は当事者に当事者家族、そして近隣病院の療法士さんが参加されました。

会の最後に一人ずつ感想を述べるのですが、その際に療法士さんが"自分がなぜこの職業を目指したのか思い出してとても良い時間でした"そんなことを話されました。

この会に出席しているのは通所や訪問などのリハビリにつながれず自分で工夫をしながら生活している方が多く、だからこそ当事者同士が集まり悩みを共有し知恵を出し合うことは大切だと思っています。

そんな当事者会で支援者である療法士さんは何かを感じられたようです。
当事者会では患者が模索しながら生活している様子を間近で見ることが出来ます。そしたそこに一言、専門家のアドバイスが加わった時に、当事者が安堵し笑顔になることがあります。

参加された支援者が当事者会のどんな所に療法士という職業を目指したのかを思い出したか分かりませんが、もしかしたらそんな瞬間がきっかけになったのかもしれないと思いました。

大切なことを忘れそうな時に

病院勤務という慌ただしい場で業務に追われて初心を忘れてしまう‥なんてことは容易に想像がつきます。

でもそれは医療職に限らずどんな職種でもあることだと思います。また職業に限らず家族をはじめとする人間関係でも同様かもしれないと思いました。

夫婦としてやっていくのに疲れたときに初めてデートした所に行ってみたり、反抗期の子どもに手を焼いたら赤ちゃんの時の写真を見返してみたりすると、どうしてこの人と一緒にいたいと思ったのか、この子を初めて抱いたときどう感じたのか、大切な気持ちを思い出せるかもしれません。

学校の先生だったら、美容師さんだったら、会社員だったら‥それぞれが初心を思い出せるそんな場所がありそうな気がします。

大事なことを思い出せる場所

療法士さんの言葉で日常生活の中で見失いがちな大切なことを思い出せる場所の必要性を感じました。

また、いざという時のために大切なことを思い出せる場所やものを探しておくことも大事だと思いました。

今回のように当事者会に専門家が参加してくれることは私たち当事者にとってありがたいことですが、同時に支援者である専門家にとっても実りある時間となるならばとても喜ばしいことです。

障害者となって人に迷惑をかけるばかりの存在になってしまったように思う日もありますが、自分の障害者としての存在が誰かの役に立つこともあるのだと"大切なこと"を感じさせてもらいました。

そういう意味でこれからこの当事者会は私にとって"大切なこと"を思い出させてくれる場所になっていくのかもしれないと思います。