自分のやりたいことを子供に託すな
ママ友の裏切り…「抜け駆けお受験」に「怒りとモヤモヤ」を抱える40歳主婦の心情 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/90155
子供を育てていると否が応でもお受験の記事が目に止まります。親が前のめりになって子供に勉強させるのはなぜでしょうか。いい学校に入って安定した職を手にして欲しいから?将来つく職業の可能性を広げて欲しいから?社会に出た時のための忍耐力をつけてほしいから?どれも素晴らしい動機だと思います。しかし心のどこかで、自分自身の後悔を子供にさせたくないから、悪く言えば自分のコンプレックスを子供に克服して欲しいという後ろ向きな動機が混ざってはいないでしょうか。
もし勉強にコンプレックスがあるのだとしたら、心の奥底に自分が勉強したい気持ちがくすぶっているという証拠だと思います(ステータスが欲しかっただけの場合は除く)。自分はもう手遅れだから、せめて子供には精一杯勉強して欲しい。そんな思いから子供に勉強をさせる親は意外と多いのではないか。と勝手に考えています。
これはスポーツでも一緒です。自分の子供の部活動の応援やサポートに熱中し、なんなら自ら熱血指導をする親御さん。子供が望んでいるならそれはそれで素晴らしいことだと思いますが、自分でやってみるという選択肢がもっとあってもいいと思います。
星野さんの記事にあったように、子供は社会に出るまで膨大な時間とお金をかけて勉強や部活をします。それが社会に出た途端、平日は夜まで働くのが当たり前となり、アフターファイブや休日は労働のための充電時間のような位置付けで、やりたかった勉強やスポーツは”次世代のもの”となってしまいます。そして自分は勉強しないのに、子供には勉強をさせるというあまり説得力のない関係が出来上がります。
私は3年前からランニングを再開しましたが、世の中には現役の高校生に引けを取らないレベルで走っている40代50代のランナーがたくさんいることに驚きました。彼らのお子さんたちは、お父さんがあんなに楽しそうにやってるんだからランニングは楽しいのかもしれない、または速く走ることはかっこいいことだと思うでしょう。
中学3年で英検3級(それも二次試験)に落ちて、そのリベンジで今年準1級を受けましたが、2次試験の会場には子育て世代以上の方がたくさんいらっしゃいました。彼らの子供は、親があんなに一生懸命勉強しているのだから、語学はきっと楽しいものなんだと思っていることでしょう。
子供にどうなって欲しいかも大切だと思うけど、それは大体自分がどうなりたいかの延長線上にあるのではないかと思います。だからまずは大人がやりたいことを諦めずにやって、背中を見せよう、背中を。