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言葉のキャッチボールとドッチボール
放課後、校庭の鉄棒近くでキャッチボールするお父さんと男の子の姿を見て、以前読んだ「言葉のキャッチボールとドッジボールの違い」の話を思い出しました。
「言葉のキャッチボール」
「言葉のキャッチボール」は、相手の話を聞いて、その言葉に対して、的確に相手のところに言葉をなげることです。
相手の言葉をきちんと受け止めることができなければ、キャッチボールは続きません。そのためには、相手の話に耳を傾け「聴く」ことが何より大切となります.相手の話を途中で中断させたり、話の途中で反論したりすると、そこで終わってしまいます。しっかり受け止めてから、相手が取りやすいところ(ききたいこと)に、取りやすい言葉で(わかりやすく)投げ返すことが大切です。
校庭の親子は、とても楽しそうにキャッチボールをしています。ボールがうまく投げられなくて外れても笑い合っています。うまくキャッチできたときには、お互いに喜んでいます。キャッチボールのテンポも変わるし、ボールの速さもまちまちだし、大変だろうなと思うのですが、二人は、ずっとキャッチボールを続けています。
学校生活の中の子どもたちを思い出してみると、そんな場面が目に浮かびます。相手のことを思い、発せられた言葉は受け止めやすいし、投げ返しやすいです。その場に居合わせても心地よいものです。
「言葉のドッジボール」
反対に見たくないのは「言葉のドッジボール」です。言葉の受け手は、投げられた言葉のボールが、強すぎたり、全く的外れだったりすると、キャッチしたくてもできません。また、受け手を傷つけようとする言葉のボールが投げられたら、受け取りたくないので逃げます。それなのに、次から次へとボールが投げられたら。
もう、いじめに他なりません。
ドッジボールは、相手のボールを避けます。例えボールをキャッチしても、相手に強いボールをキャッチさせないように投げ、相手を倒します。(普通は、殺すと言います) 言葉に置き換えると、とても悲しいですね。時には、キャッチするけど、それは相手の倒すためにキャッチしているだけで、言葉自体を受け止めてくれてはいません。
子どもと教師の言葉のキャッチボール
このことを学級担任と子どもたちの関係に当てはめてみると、考えさせられます。
「子ども一人一人と言葉のキャッチボールができているでしょうか」
子どもと話をして一通り話を聞いた後、「なるほど、そういうことだったんだね。でも、こうした方がいいと思うよ」とキャッチしたふりで終わっていませんか。私は、たくさん失敗して、子どもたちを傷つけてしまった苦い経験が多々あります。
我々教師が、言葉のキャッチボールのお手本を示していくことで、子どもたちのキャッチボールスキルは上がります、反対に言葉のドッジボールをしていると、子どもたちもそれをまねます。
職場でのキャッチボール
そして、ここから一歩踏み込むのが、わたしたち、職員室NEXT。同じ職場の同僚との会話にも当てはめて見ませんか。先輩の先生に対して、管理職に対して、保健の先生に対して、市の職員に対して、そのほかにも様々な方々が、子どもたちの教育に関わっています。言葉のキャッチボールの仕方一つで、働きやすい職場になります。
自分の何気ない言葉が、ずっと心の支えになる。反対にずっと心に刺さる。そんなこともあります。この文章を書きながら、改めて、言葉の重みを感じた私でした。早速、今から、自分の言葉を見直します。
大賀重樹