【フリー台本/AI小説】星の絆〜第一部〜(約1240文字)異世界ファンタジー
フリー台本です。
朗読などにご自由にお使いください。
六部作ですが、それぞれの部で締めの部分を少し自然な表現に直し、1話ずつ完結としてもらっても大丈夫です。
星の絆
【第一部】
美しき大地アリヤンデは、遠くから見るとまるで果てしなく広がる緑の絨毯のようだった。
その中央には、天にまで届きそうな白い石でできた神殿がそびえている。
この地に住む者たちは、神々や女神たちが紡ぐ神聖な力に包まれ、平穏を保っていた。
幼い女神、セレフィアは、まるで風のように神殿の廊下を駆け回っていた。
まだ年端もいかないその姿は、天から降り注ぐ光を浴びて、金色の髪がふわりと舞う。
彼女には神々の血が流れているが、今はただの無邪気な少女に過ぎなかった。
「セレフィア!」年増の女性神官エルデの声が、厳かに響く。エルデは、この神殿で何世代にもわたって神々を支えてきた家系に生まれ、セレフィアの世話を任されていた。
セレフィアはエルデの声を聞いて一瞬足を止めたが、にやりと笑うと再び駆け出した。
彼女は神官たちが整然と並べた花瓶を、手のひらでそっと揺らし、エルデの視界に入るたびにいたずらを仕掛ける。
しかし、その小さな手は決して壊すことはない。彼女は遊んでいるだけだったのだ。
「セレフィア、それ以上は許しませんよ」エルデの声は厳しかったが、その瞳には母親のような優しさが込められていた。
セレフィアはふっと立ち止まり、振り返った。彼女の無邪気な笑顔が、エルデを困らせつつも愛おしく思わせる。
「ごめんなさい、エルデ。でも、走るのが楽しかったんだもん。」セレフィアは笑顔で謝り、その姿はまるで純粋な光のようだった。
エルデはため息をつきながらも、優しく彼女を手招きする。
「さあ、今日はこれで終わりにしましょう。夕食の時間です。」セレフィアはエルデの側に駆け寄り、その手をしっかりと握った。
一方、空には男の神たちが集まり始めていた。
彼らは、天に浮かぶ壮大な城に向かうため、季節の節目ごとに集まるのだ。
その度に、男性の神官たちも共に仕えるため城へと赴く。その時、地上には女性神たちと女神たち、そして女性神官たちだけが残される。
城が光に包まれ、男たちが天へと昇ると、神殿に残る女性たちは次第に活気づき始める。彼女たちは待っていたかのように、声をそろえて歌い出す。その歌声は清らかで、心に染み渡る響きであった。
広間では神々しい装飾がきらめき、女神たちは手を取り合いながら軽やかに踊り始めた。
祭りのようなその光景は、華やかでありながらもどこか自由な雰囲気に満ちていた。
その光景を、セレフィアはエルデとともに眺めながら微笑んでいた。
彼女はまだその舞の輪に加わることはなかったが、やがて自分もその一部になるのだろうと、期待を持ちながら輝く瞳で見ていた。
このような日々の中で、セレフィアは少しずつ成長し、他の神々や神官たちとの触れ合いから優しさや感動を経験していった。
エルデの厳しくも優しい教えはセレフィアの心に深く刻まれ、彼女もまた、成長するにつれて次第に自分が持つ力の特殊さを感じ取り始めていた。
【続く】