新人賞を知ろう〜小説新人賞の攻略法(1)
崖っぷち作家のニジマルカです。
今はネット小説から作家になる人の方が多いと思いますが、自分は新人賞デビュー組です。
今回から何回かに渡って、小説新人賞の攻略法をまとめてみたいと思います。
自分はエンタメ系なので、純文学などには当てはまらないかもしれません。
というわけで、1回目は「新人賞を知ろう」です。
新人賞はどのくらいある?
まずは新人賞について、ある程度、知っておきましょう。
ジャンル毎にたくさんの新人賞があります。
「新人賞 公募 一覧」などで検索すると、各新人賞をまとめたサイトが引っかかると思います。
新人賞の数は、SFが圧倒的に少なく、純文学も少なめ、ライトノベル、ミステリなどは多め、一般エンタメがさらに多い印象です。
全ジャンルを合わせれば、毎月10個くらいは新人賞の締め切りがあると思います。
受賞者の数と確率
1つの新人賞で1人から、多い賞で7〜8人が受賞します。
全ジャンルの新人賞の数はおそらく100くらいでしょう。
1つの賞で平均3人ほど受賞するとすれば、毎年300人くらいが作家としてデビューすることになります。
応募数は100〜1000くらいな印象です。
わかりませんが、応募数の中央値が500だとすると、受賞確率は0.2〜2%といったところでしょう。
簡単なところだと、100人に2人
難しいところだと、1000人に2人
くらいですね。
おおまかな目安としては、受賞確率は1%いかない感じです。
学校で考えれば、20人クラスの5クラスで1位になれれば、受賞できるかもしれない、といった確率だと考えればいいでしょう。
こういう数字は身近な数字にして、実感した方がいいです。
なぜかというと、実感できない目標に到達するのは難しいからです。
住所の詳細がわからない目的地にたどり着くのが難しいのと同じです。
本を出せない賞もある
賞を銘打っているものはたくさんありますが、受賞しても本を出せない賞もあります。
本を出せない賞には
・地方の新聞社や自治体が運営している賞
・そのほか短編の賞
などがあります。
中には有名な賞もあるのですが、原稿用紙100枚といった短い枚数のものは、本にならないと考えておけばいいです。
また、出版を確約していないところもあったりするので注意が必要です。
自分は、今お世話になっている出版社とは違うところでも受賞していますが、そこからは本を出せませんでした。
当たり前ですが、作家としてデビューしたいなら、本を出せる賞に出さなければなりません。
地方文学賞などの短編賞に出すことが無駄だとは言いませんが、そこからデビューはできないので、最初から本を出せるところを選んだ方がいいでしょう。
選考の回数
だいたいの印象では、4次が最終選考です。
応募数が極端に多いところでは、5次が最終の場合もあるようです。
1次選考でだいぶ落とされます。
7〜9割は落とされると考えればいいです。
以前は「文章になっていれば1次選考は通る」と言われることもありましたが、今では応募作のレベルも上がり、ちゃんとした話になっていても落とされる場合があるようです。
使い回しについて
使い回しとは、どこかで落選した作品を、別の賞に出すことです。
最近は使い回しを嫌うところもあるようです。
たまにtwitterなどで、下読みさん(原稿を読んで残すか落とすか判定する仕事の人)が「使い回しは落とす」みたいに言っているのを見かけます。
使い回しがだめなら応募規定に書くべきだと思いますが、書くと多分、応募数が減るとか、そういった理由で書いてないのかなと邪推したりしています。
できれば使い回しではなく、新作を常に出せるといいですね。
今回のまとめ
新人賞の攻略法1回目「新人賞を知る」でした。
1.新人賞の数は全ジャンルで100くらい
2.受賞確率は1%いかないくらい
3.本を出せない賞に注意
4.選考は4〜5回。1次選考で7〜9割落とされる
5.使い回しに注意
次回は「新人賞と市場はぜんぜん違う」です。
それではまたべあー。