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物語を終わらせるには〜簡単な物語のつくり方(13)

崖っぷち作家のニジマルカです。

「簡単な物語のつくり方」13回目です。

12回目はこちら。↓


前回のおさらい

前回は世界の設定について説明しました。

物語の舞台が現代社会から離れるほど、世界を設定する必要が出てきます。

またギミックなどを多少詳しく設定しておくと、その設定の穴をつくこともできます。

いっそ主人公が活躍できるように設定しておくのもいいですね。

たとえば主人公は魔力を持たない落ちこぼれだけど、魔力がゼロでないとできないことがある、といった感じです。

世界の設定については書籍もあるので、何冊か読んでみるのもいいと思います。

それでは今回の話をはじめましょう。

今回は「物語を終わらせるにはどうすればいいか」という話です。


終わらせるには驚きが必要

結論から言うと、物語を終わらせるには驚きが必要です。

驚きがないと「終わった感」が出ないのです。

話の終わりで「あ、そうきたか!」といった驚きがないと、読者や視聴者は納得しないのですね。

とは言え、ただ驚かせばいいというわけではありません。

驚かすだけなら何とでもできます。

たとえば、魔王とのバトルに入った瞬間、偶然隕石が落ちてきて魔王がつぶされてしまったら驚きますよね。

あるいは、魔王が突然ストレスで血を吐いて死んでしまったら驚くでしょう。

ですが、それでは読者は納得しません。

それどころか「金返せ!」となりそうです。

読者は驚きとともに納得したいのです。

つまり、物語の終わりに起こる驚きには納得感が必要なのです。


納得できる驚き

納得できる驚きとはセリフで言うと「なるほど! そういうことか!」という驚きのことです。

上でも書いたとおり、読者は最後に納得したいのです。

どうすれば納得できる驚きを起こせるでしょうか?

簡単です。

伏線を回収しましょう。


伏線を回収する

伏線とはクライマックスにおける解決のヒントのことです。
(クライマックスだけではありませんが)

たとえばジブリ映画の『ラピュタ』で言うと、最後は「バルス」で解決しますが、序盤で滅びの言葉の存在はほのめかされていました。

この「滅びの言葉」が伏線です。

第1ターニングポイントが終わって一段落ついた辺りで、シータが「言ってはいけない言葉がある」と説明しているのですね。

その言葉がクライマックスで使われることで、観客は驚きとともに「なるほど!」と納得するのです。↓

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クライマックスで伏線が回収されるというのは、パズルのピースがハマるようなものです。

そのとき「なるほど、そうなるのか!」と納得感のある驚きが起こります。

すると「物語が終わった感」が出るのです。


いまひとつ「終わった感」が出ないなら、伏線を回収してみてください。

難しく考えることはありません。

序盤に解決のヒントを出しておいて、クライマックスで使えばいいだけです。


カンチガイ→気づき→行動

また、このように考えてもいいです。

クライマックス付近で以下のように主人公を変化させると、伏線を回収しつつ盛り上げることができます。

1.カンチガイ
 主人公は最初、なにかをカンチガイしているので上手くいきません。

2.気づき
 続いて内面で気づきが起こります。
 なにかを思い出し、解決方法に気づくのです。
 (ここが伏線回収)

3.行動
 内面で気づいたあとは、その気づきに基づいて外面で行動を起こします。
 その行動によって問題は解決します。

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内面での気づきと、外面での行動が同時に起こると、クライマックスは盛り上がります。

たとえばこんな感じです。↓

1.カンチガイ
竜とのラストバトルに突入するが、まったく歯が立たない。

2.気づき
バトルの最中、師匠の言葉を思い出す。
「竜の体には逆さに生えた鱗が1つだけある。そこが弱点なのじゃ」
「あ! そうだった!」(伏線回収)

3.行動
弱点に気づいた主人公は逆鱗を攻撃し、竜を倒した。


このようにカンチガイ→気づき→行動という一連の流れを起こすと、伏線回収もでき、物語が終わった感が出るのです。


アイデア先行の場合は注意

説明してきたとおり、物語が終わるためには納得感のある驚きが必要です。

基本的には序盤に伏線を出し、解決のヒントにすればいいとわかったと思います。

ですが、終わらせるのが難しいタイプの話があるのですね。

それがアイデア先行型の話です。

アイデア先行型の話というのはたとえば

・朝起きたら幼女になっていた
・突然未来がわかる能力が覚醒した
・目覚めたらデスゲームに巻き込まれていた
・名前を書くと死ぬノートを拾った

といった最初に引きとなるアイデアがあるタイプの物語です。


このタイプの話を終わらせるのがなぜ難しいかというと、最初に驚きがあるからです。

説明したとおり、物語は驚きがないと終われません。

最初にアイデアによる驚きがある場合、そのアイデアと同等かそれ以上の驚きがないと終われないのです。


最初のアイデアで驚きのハードルが上がっていると考えればいいでしょう。

少なくとも最初のハードルと同じくらいのアイデアがなければ、驚きが足りず、終わることができません。

終わるにはもう一つアイデアが必要だと考えるとわかりやすいです。

このように、アイデア先行型の話は冒頭の引きが強いのですが、終わらせるのは難しいと知っておくといいでしょう。


今回のまとめ

簡単な物語のつくり方13回目「物語を終わらせるには」でした。

1.終わるには納得できる驚きが必要
2.そのためには伏線を回収すればいい
3.カンチガイ→気づき→行動と変化させてもいい
4.アイデア先行型は最初に驚きがあるので、終わるにはそれ以上の驚きが必要

次回は「長編のネタの出し方」です。↓

それではまたくまー。


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