長編の流れをつくってみよう〜簡単な物語のつくり方(8)
崖っぷち作家のニジマルカです。
「簡単な物語のつくり方」8回目です。
7回目はこちら。↓
前回のおさらい
前回は中間まとめをしました。
長編の流れは下図のようにまとめられます。↓
細かいところはさておき、最低限、
・冒頭できっかけとなる事件を起こす
・ヤマを4つ作る
くらいがわかればいいです。
つくり方に慣れる
さて、今回は具体的にどうやって作るのかを見ていきましょう。
作っていく過程を書いていきますので、読みながら、自分ならどうするか考えてみてください。
ストーリー展開は無限に考えられるので、今回考えるものがベストというわけではありません。
それではまずジャンルを決めましょう。
ジャンルを決める
代表的な物語のジャンルはこんな感じだと思います。↓
・恋愛
・ミステリ
・ファンタジー
・SF
・ホラー
・歴史・時代もの
・青春
今回は「ファンタジー」っぽいものにしてみます。
おおまかに話を決める
おおまかにどんな話か決めましょう。
ファンタジーなので適当に
少女が魔法使いになる話
とでもしておきます。
まず、願望を持つ主人公を決めます。
スタート:魔法使いになりたい少女
スタートを決めるとゴールが決まります。
ゴール:魔法使いになった
物語の大きな問題(障害物)を考えます。
ここも適当に、
問題:魔法が使えない? or 魔力がない?
辺りにしておきましょう。
いまのところのざっくりした解決方法を考えます。
解決:魔法学校に入って勉強する?
「問題」も「解決」も調整していくので、とりあえずで決めておきます。
ここまででおおまかな話ができました。
1つの文にしてみるとわかりやすくなります。
魔法が使えない少女が、魔法学校に入って、魔法使いになる話
図にするとこうです。↓
話の外形は決めたので、次はきっかけとなる事件を考えていきましょう。
きっかけとなる事件
なにかきっかけがあって、主人公は魔法学校に行くことになります。
さまざまなきっかけが考えられますが、たとえばこんな感じでいいかもしれません。↓
村に立ち寄った魔法使いが、主人公の膨大な魔力に気づき、魔法学校への入学をすすめる
誰かが来て旅立ちに誘うというのはよくあるパターンです。
もうちょっとアクションっぽい始まりがいいなら、獣に襲われている村人を助けるために無意識に魔力を使ったところを目撃される、みたいなのでもいいと思います。
主人公は迷いますが、最終的には旅立つことを決めます。
冒頭はこんな感じでいいと思うので、最初のヤマを考えていきましょう。
最初のヤマ
最初のヤマはそれほど大きくなくていいです。
魔法学校に行くのですから、入学試験でいいでしょう。
主人公は筆記がぜんぜんダメで、村に来た魔法使いが教えてくれてなんとかぎりぎり合格する、くらいでいいと思います。
この魔法使いは主人公を導く先生のような役割ですね。
魔法学校関係者でもいいと思います。
【最初のヤマ】
問題:入学試験
解決:村に来た魔法使いに教えてもらう
合格して、これから学校生活が始まります。
中間のヤマ
中間のヤマは大きめにすると物語のバランスがよくなります。
主人公の魔力が暴走するとか、そんな事件が起こるといいかもしれません。
解決方法は、先生なりなんなりが処置してくれるのでもいいでしょう。
細かいことは置いておいて、ひとまずそういうことにしておきます。
【中間のヤマ】
問題:主人公の魔力が暴走する?
解決:先生たちが処置してくれる?
3つめのヤマ
そろそろ終盤ですから、なにか魔法使いの認定試験とか、そんなものがあるといいですね。
どうやって試験を突破するかわかりませんが、なにか機転を利かすなりして試験に合格するのでしょう。
【3つめのヤマ】
問題:認定試験がむずかしい
解決:なにか機転を効かせて試験に合格する?
次は最後のヤマです。
最後のヤマ
最後のヤマはクライマックスなので、大きめの問題にします。
なにかすごい魔物が出るのがよさそうですね。
解決方法はまだわかりませんが、主人公が解決します。
【最後のヤマ】
問題:すごい魔物が襲ってくる
解決:主人公がすごい魔法で撃退する
これでひとまず最後のヤマまでできました。
では、いままでのヤマを図にして確認してみましょう。
図にして全体を確認する
ヤマはこうなりました。↓
図にすると全体がよくわかりますね。
では確認していきましょう。
ヤマが成立しているかどうかは、そのヤマで「主人公がピンチになっているか?」を確認すると判断しやすいです。
見た感じでは、それほどおかしくない印象です。
適当に考えたのですが、骨組みとしてはこれで十分かもしれません。
わりとあっさり骨組みはできてしまったので、間の繋がりを考えてお話らしくしてみましょう。
少しキャラや設定を足して、話をつなげていきます。
中間のヤマまでのつながりを考える
最初のヤマはそのままでいいと思います。
中間のヤマに至るまでの繋がりを考えてみましょう。
「主人公は魔力はたくさん持っているけど、不器用すぎて魔法が使えない」くらいにしておくのが良さそうです。
魔法を使えないので、主人公は学校でバカにされています。
学園ものなので、この辺りでライバルを出すといいかもしれません。
ライバルは、魔力は少ないけど魔法のエキスパートとか、そんな感じでしょう。
主人公とは真逆の性質を持っています。
ライバルが突っかかってきて勝負することになり、その過程で魔力が暴走してしまう、みたいな感じがいいかもしれません。
そこで初めて主人公の魔力量がすごいことがわかり、皆が驚きます。
【中間のヤマ(修正)】
問題:ライバルと勝負することになり魔力が暴走してしまう
解決:先生たちが処置して事なきを得る
その後、ライバルと仲直りして、魔法を教えてもらうことになるのがいいでしょうね。
3つめのヤマまでを繋ぐ
認定試験に向けて、主人公はライバルに教えてもらいながら、少しずつ魔法を覚えていきます。
3つめのヤマは魔法使いの認定試験でいいでしょう。
学校対抗のチーム戦などにしても盛り上がると思います。
舞台は試験用の森とかダンジョンがいいですね。
ライバルさんとチームを組んで戦うのがいいと思います。
他にパーティメンバーがいてもいいです。
対戦相手の学校などがひきょうな手を使ってきてピンチになったところを、二人で協力して勝利すればいいでしょう。
【3つめのヤマ(修正)】
問題:認定試験で対戦相手たちがひきょうな手を使ってくる
解決:二人で協力して勝利する
クライマックスへのつなぎ
あとは会場の出口まで戻れば試験は合格です。
ここで試験会場に異変が起こります。
試験用の魔物ではなく、本物の魔物が出現するのです。
魔物を倒さなければ外に出られない感じにしておけばいいでしょう。
まだ戦える生徒たちで雑魚魔物を倒しながら、ボス魔物に迫りますが、どんどん生徒たちが倒れていきます。
最後はライバルさんと二人になります。
そこでライバルさんが主人公をかばうなどしてやられてしまい、主人公が覚醒するのが定番でしょう。
なにかすごい魔法で魔物を倒し、みんなを救います。
いろいろあったものの試験は合格となり、主人公は魔法使いになって物語は終わりです。
【クライマックス(修正)】
問題:本物の魔物が出現
解決:主人公が覚醒してすごい魔法でやっつける
本物の魔物がなぜ出現したのか、主人公が最後に魔法を使えたのはなぜか、などは序盤で情報を出しておく必要があります。
すると、たとえば主人公の亡くなった母親は実は大魔法使いで、その血を受け継いでいるとか、その血に引かれて魔物が現れた、とか、そういった設定を作ることになるでしょう。
なにか学校関係者の策略や隣国の陰謀などがあってもいいですね。
全体をもう1度、図にして確認してみましょう。
修正した全体図
つながりを考えた図はこうなりました。↓
ツッコミどころはありますが、おおまかな話の流れとしてこんな感じでしょう。
ちゃんと物語になっていますよね。
ヤマを作る作業がちょっとうまくいきすぎてしまいましたが、実際はざっくりとヤマを作ったあと調整するのが普通です。
ヤマは「主人公をピンチにする」と考えると作りやすいです。
また、ヤマを調整したり、ヤマの間をつなごうとすると、どうしてもキャラや設定を考えなければなりません。
その辺りは次回から説明していきます。
今回のまとめ
簡単な物語のつくり方8回目「長編の流れをつくってみよう」でした。
1.ジャンルを決める
2.おおまかな話の外形を決める
3.きっかけの事件を決める
4.ヤマをざっくり決める
5.ヤマの間をつないでいく
3、4、5は行きつ戻りつしながら作っていくのが普通です。
きっかけの事件はヤマを作ってから考えた方がいいこともあります。
次回は「キャラクターについて知ろう」です。↓
それではまたくまー。
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