キャラクターについて知ろう〜簡単な物語のつくり方(9)
崖っぷち作家のニジマルカです。
「簡単な物語のつくり方」9回目です。
8回目はこちら。↓
前回のおさらい
前回は具体的に長編の流れを作ってみました。
ヤマを作ったあとは、ヤマとヤマの間をつなげて物語の体裁を整えていきます。
ですがそのためには、キャラクターや設定も考える必要がありました。
ですので、ここで一旦ストーリーについては置いておいて、今回からキャラクターの話を進めていきます。
どういうキャラが必要か
まず、物語にどういうキャラが必要か見ておきましょう。
典型的な物語では、以下のような役割を持ったキャラが登場するものです。
1.主人公
物語の主役です。
2.敵
主人公と敵対する存在です。
3.仲間
主人公を手助けし、ともに行動してくれる人たちです。
4.先生
主人公を導いてくれる先生的な存在です。
5.パートナーやヒロインなど
仲間のうちの重要人物です。いなくても構いません。
6.使者
主人公の旅立ちのきっかけとなるような人物です。
あまり気にしなくていいです。
既存作から抜き出してみるとわかりやすいと思います。↓
たとえば鬼滅の刃でいうと
鬼滅の刃で言うとこんな感じでしょう。
1.主人公: 炭治郎
2.敵: 無惨ほか鬼たち
3.仲間: 善逸、伊之助、鬼殺隊の人たち
4.先生: 鱗滝さんや柱など
5.パートナー:禰豆子
6.使者: 家族を襲った鬼(無惨?)or 富岡さん
1は当然ですが、2もほぼ必須です。
敵のいない話もありますが、一般的なエンタメでは倒すべき何かが存在します。
3の仲間のうちで特別な存在が5のパートナー的な存在です。
いない場合もあるでしょうし、いなくても話は成立します。
6の使者は、物語のきっかけとなる出来事に関係する人物などになります。
人物でなくても、手紙やなにかの事件などが使者としての役割を担う場合もあります。
これはあまり気にしなくていいでしょう。
長編では、1主人公,2敵,3仲間,4先生、くらいの役割を持ったキャラクターがいないと、話を支えるのが難しいと思います。
ですからキャラの最少人数は3〜5人くらいになるでしょう。
キャラの相関関係
キャラ同士の関係性をわかっておくと作りやすくなります。
図にするとこんな感じでしょう。↓
話をつくっていくと、だいたいこういうキャラが出てくると思います。
パートナーと使者はいなくてもいいですが、足りないキャラがいたら追加してみるとバランスがよくなるかもしれません。
また、同じ役割のキャラなら1人にできる場合もあります。
ムダにキャラを多くしても使い切れないので、まとめてしまってもいいでしょう。
役割が変わるキャラ
役割が途中で変わるキャラもいます。
最初は敵として出てきたのに、途中で味方になったりするキャラのことです。
そういうキャラもアリなので、役割を決めたらずっと守らなければならないわけでもありません。
また、マンガや映画を見ていると、ときおりミステリアスなキャラが出てくることがありますよね。
「この人はなんなんだろう?」と気になってしまうキャラのことです。
単純に言うと、ミステリアスさとは役割の流動性のことです。
敵なのか味方なのか、あるいは先生なのか実はパートナーなのか、役割がよくわからないと掴みどころのないキャラになるのですね。
たとえば『チェンソーマン』で言うとマキアさん、『ベルセルク』で言うと髑髏の騎士がこれに当たります。
役割がはっきりしないということは、目的や行動原理がわからないということです。
ですから、そういったキャラというのは何を考えているのかよくわからず、ミステリアスに見えるのです。
次回までの課題
好きな作品から、役割ごとのキャラクターを抜き出してみてください。
【例:進撃の巨人】
(後半いろいろありますが、前半だけ考えると)
1.主人公: エレン
2.敵: 巨人
3.仲間: 調査兵団の人たち
4.先生: リヴァイ兵長とかハンジさん?
5.パートナー:ミカサ
6.使者: 家族を襲った巨人、超大型巨人
今回のまとめ
簡単な物語のつくり方9回目「キャラクターについて知ろう」でした。
1.キャラには役割がある
2.キャラの相関関係を知っておくと作りやすい
3.いない役割のキャラがいたら作ってみるのもいい
4.途中で役割が変わってもいい
5.役割がはっきりしないとミステリアスなキャラになる
6.既存作からキャラを抜き出してみると理解が深まる
次回は「キャラクターを作ろう」です。↓
それではまたくまー。