問題にぶつかったときは「やりたくないこと」が答え
崖っぷち作家のニジマルカです。
先日、ちょっとした悩み相談を受けたのですが、一般的に言って、何かにぶつかったときは「やりたくないことをする」のが答えだったりします。
よく聞く話なので、知っている人も多いでしょうが、改めてまとめておこうと思います。
今回は「人生で問題にぶつかったとき、どういうことが起こっているか」という話です。
人生でぶつかる問題とは
人生をドライブにたとえるとわかりやすくなります。
道は直線だったり、曲がっていたりしますが、道に沿ってハンドルを切っていけば、人生は順調に進みます。
ですが、ハンドルを切りすぎると、そのうちガードレールにぶつかりますよね。
このガードレールが、人生でぶつかる問題です。
私たちは、人生という道の途中で、ガードレールにぶつかっては「ああ、上手くいかない……」と嘆いているわけです。
ところで、ガードレールの役目は何だと思いますか?
ガードレールは文字通り、車が道から外れて脱輪したり、崖に落ちてしまわないように守ってくれています。
ガードレールがなければ、崖下にそのまま落ちて、大怪我をしてしまうでしょう。
実は、人生で起こる問題もこれと同じです。
「問題」にぶつかったおかげで、人生を踏み外さずに済んだのです。
それ以上進んだら、人生から転落していたかもしれません。
「問題」はそれを止めてくれたのです。
落ちないように守ってくれたと言ってもいいでしょう。
ですから、「問題にぶつかって嘆く」なんて、とんでもないことです。
問題にぶつかったら、まずは「止めてくれてありがとう」と問題(ガードレール)に感謝しましょう。
なぜ問題にぶつかったのか
さて、「問題=ガードレール」とわかったところで、次に進みましょう。
そもそも、なぜガードレール(問題)にぶつかったのでしょうか?
答えは簡単です。
ハンドルを切りすぎたからですね。
大きくハンドルを切ると、ガードレールにぶつかるのです。
たとえば、左にハンドルを切って、ガードレールにぶつかったとしましょう。
なぜ、左にハンドルを切ったと思いますか?
それは、
右に怖いものがあるから
です。
怖いものを避けようとしてハンドルを切っている
人にはそれぞれ怖いものがありますよね。
たとえば、
「人との交流が怖い」
「貧乏が怖い」
「恥をかくのが怖い」
「何かがバレるのが怖い」
など、いろいろあると思います。
その怖いものを避けようとすると、人生の進路を間違えます。
これがハンドルを極端に切った状態です。
右になにか「怖いもの」があり、それを避けようとして左に大きくハンドルを切ると、必ずガードレールにぶつかります。
これと同じように、人生では、怖いものから極端に逃げようとすると、必ず問題にぶつかるようになっているのです。
このように、人生で問題にぶつかったときは、ほとんどの場合、「怖いもの」や「嫌なもの」から逃げているのです。
解決方法は?
ではどうすれば解決できるでしょうか?
簡単です。
右に「怖いもの」があり、それを避けるために左にハンドルを切って、ガードレールにぶつかったわけです。
ですから、正常な進路に戻るには、右にハンドルを切るしかありません。
つまり、怖いものがある方向に進まなければならないのです。
これが、「問題にぶつかったときは、嫌なことをするのが答え」となる理屈です。
少なくとも、一度は怖い方向にハンドルを切らないと、正常な道には戻れないのです。
反応によって問題の大きさがわかる
ここまで読んできて、「ああ! あれをやらないといけないのか!」と気づいた人もいると思います。
そういう人の問題は、実はそれほど大きくありません。
いずれは怖い方向に向かい、問題を解決できるでしょう。
厄介なのはこういう人です。
「右に怖いものがあって、それを避けてますよね?」と尋ねたら、
「え? 右? 右ってなんですか?」
と答える人です。
これはどういうことかと言うと、怖すぎて認識できていないのですね。
実際には怖くて逃げているのですが、あまりにも怖いので、それを見ることすらできないのです。
その怖いものを「ないもの」として扱っています。
こういう人の問題は、とても大きく、根深いのです。
このように、
「ああ! あれか!」と大きな反応になるときは、実は問題は小さく、
「……なにそれ?」と小さな反応になるときは、実は問題は大きいのです。
答えはいつも同じ
とは言え、問題が大きいにせよ、小さいにせよ、解決方法は変わりません。
「怖いなあ」「嫌だなあ」「やりたくないなあ」「それはないでしょ」「そこまで堕ちたくない」「ないわ〜」「あ、それはないです」「そういうんじゃないんで」「あ、それは無理なんで」「それはやっちゃ駄目なやつでしょ」
そう思っている方向に踏み込むことです。
そうしない限り、ずっと同じ問題(ガードレール)にぶつかり続けます。
人生で、いつも同じような問題にぶつかっているなら、ほぼこの理屈で動いているはずです。
怖いものから逃げると、その場では解決したように見えても、またすぐ同じ問題にぶつかります。
つまり、その「怖いもの」というのは、その人にとっての宿題みたいなものなのですね。
やり終えない限り、人生に何度でも現れるのです。
まずは「人生にはこういう仕組みがある」と知っておくといいと思います。
そして、「私が避けているものはなんだろう?」「俺が思い込んでいることってなんだろう?」とちょっと考えてみるといいでしょうね。
それだけで、人生の見通しがずいぶんよくなると思います。
今回のまとめ
問題にぶつかったとき、どういうことが起こっているか、という話でした。
1.人生はドライブ
2.人生で起こる問題=ガードレール
3.「問題」は自分が道から外れるのを防いでくれた
4.怖いものを極端に避けると、問題にぶつかるようになっている
5.解決方法は「怖い方向に進むこと」
これは、人生とか大きなことだけでなく、日常的なことにも使える考え方です。
たとえば、私はずっと新人賞の3次選考を抜けられずに苦しんだのですが、そのとき私の心にあったのは、
「そこまでエンタメしちゃ駄目なんじゃないか」
「そこまで読者に媚びていいんだろうか」
という謎の思い込みでした。
無意識にそこを避けていたのですね。
そこに踏み込んだことで受賞できたのです。
たぶん、この考え方は、人の心の仕組みみたいなものなので、いろいろなことに適用できると思います。
それではまたくまー。