デザイン・印刷・告知・発売 [まとめ後編]〜出版までの行程を見てみよう(完)
崖っぷち作家のニジマルカです。
「出版までの行程を見る」11回目です。
今回で終わりです。
10回目はこちら。↓
出版までの行程
出版までの行程はこんな感じです。↓
1.アイデア出し
2.企画書づくり
3.企画会議
4.執筆
5.推敲・改稿
6.校正
7.イラスト・デザイン
8.印刷
9.告知・宣伝
10.発売
今回は7〜10、まとめ後編です。
7.イラスト・デザイン・印刷
ほぼ最終稿になった段階で、イラストがあるならイラストレーターさんへのオファー、イラストがないならデザイナーさんへの発注が始まります。
典型的なイラストのある本では、以下のようなイラスト作業が発生します。
・キャラクターデザイン
・表紙絵
・口絵(カラー見開き2,3枚)
・挿絵(モノクロ10枚前後)
担当さんがキャラの指定や場面の指定をしてくれるので、意見があればそのときに言えばいいです。
デザインに入る前に、タイトルと(あらすじがあるなら)あらすじを決める作業があります。
タイトルとあらすじだけが、作者が売上に貢献できる唯一の要素です。
タイトルは「読者の欲望をどのような新しさで満たせるか」を端的に、可能なら新しいワードやフレーズで表現できるといいです。
あらすじは、内容の要約ではなく、「読者がこの本を買うとどう得をするか、どういう気持ちよさを味わえるか」を書くところです。
ここを勘違いしていると、せっかくの本がまったく売れずに終わります。
イラストがあるなら、表紙絵ができてからデザイナーさんへの発注になります。
2,3案上がってくるので、どれか決めればいいです。
わからなければ担当さんにお任せしましょう。
印刷作業は作者側ですることはありません。
刷り上がったら、何冊か見本誌が送られてくるはずです。
実際にブツを見ると、「本当に本が出るんだな」と実感することでしょう。
嬉しい瞬間ですね。
9.告知・宣伝
最近では、作者自身が積極的に告知することを望まれています。
告知に効果があるかと言われると、私自身はほぼ売上に影響しないと考えていますが、やらないと編集部に「やる気がない」と思われるかもしれません。
サインは絶対に書く機会が来るので、受賞したらすぐに作っておきましょう。
自分で作れないなら、サインを作ってくれる会社もあるので検索してみてください。
編集部が、キャンペーンや販促フェアなどをやってくれる場合もあります。
サイン本や色紙づくり、特典用短編の執筆など、協力を依頼されたら、ぜんぶ引き受ければいいです。
(短編などはもちろん原稿料が支払われます)
10.発売
発売されたら、結果を確認しましょう。
ジャンルによって、成功か失敗かがわかる期間は異なります。
私がいるエンタメジャンルでは、2週間で勝負が決まります。
速報はツタヤランキングが重宝するでしょう。
デイリーランキングがあるので、翌日には結果がわかります。
私がいるエンタメジャンルでいうと、デイリー20位以内に入っていないなら、絶望的です。
次の企画を考え始めた方がいいです。
1週間経つと、オリコンランキングが出ます。
こちらもジャンルランキングで20位に入っていなければ、失敗と考えていいです。
編集部も日ごとの販売部数をチェックしています。
初動がかなり良ければ、担当さんから連絡があるでしょう。
場合によって重版(再印刷)することになります。
志を高く持てば、重版しなければ失敗です。
初版部数にもよりますが、1週目で5000部いけば、重版するのではないかと思います。
発売されると、アマゾンや読書メーターなどにコメントが書き込まれます。
エゴサーチする心臓の強い人もいるかもしれませんね。
人それぞれでしょうが、私はコメントを見ません。
結果は販売部数で分かっているので、コメントを見て一喜一憂するのはエネルギーの無駄だと考えているからです。
おわりに
11回目「まとめ後編」でした。
今回で「出版までの行程を見る」は終わりです。
お読みいただきありがとうございました。
それではまたくまー。