なぜ、あなたの小説は面白くならないのか
誰もが面白い小説を書こうとしていますが、すべての小説が面白いわけではありません。
あなたも、なかなか面白い小説が書けなくて悩んでいるかもしれませんね。
(私もそうです)
なぜ面白くならないのでしょうか?
今回はその理由を考えていきます。
面白くならないのはなぜか
最初に結論を示しておきましょう。
小説が面白くならない理由は、ごく単純に言って、
ギャップが足りないから
というのが私の考えです。
ギャップというのは差のことです。
大まかに言うと、小説における差は、
外的ギャップ
内的ギャップ
の2つに分けられます。
これらのギャップが小さいと、面白くなりようがありません。
……と言われてもよく分からないと思うので、以下から説明していきましょう。
1.外的ギャップ
外的ギャップとは、
他の小説や日常的な話とあなたの作品の差
のことです。
あなたの作品は、他の作品や日常的な話と違っていますか?
違いがあればあるほど、あなたの作品には価値が生まれ、面白くなる可能性が高まります。
図にするとわかりやすいでしょう。
縦軸は価値、横軸はそれぞれの話です。
単純に言えば、差(違い)こそが価値であり、面白さです。
日常的な話というのは、たとえば、
「昨日、学校帰りに猫を見つけたけど、近づいたら逃げられた」
といった話ですね。
このような日常的な話とあまり違わない作品を書いていれば、その作品に価値があるとは誰も思わないでしょう。
日常的な話は、日常生活の中でいくらでも聞くことができます。
それらの話と何か違いがなければ、面白いとは思われませんし、そもそも、小説にする意味もありません。
また、あなたの作品は、公表した時点で他の作品と比較されます。
たくさんある作品とほとんど同じなら、あなたの作品を読む理由はありません。
違いがないのなら、読まなくていいからです。
日常的な話と同じような話、他の作品と同じような作品を書いていませんか?
ある程度、似てしまうのは仕方がないとしても、そこに明確な差が無ければ価値は生まれず、面白くなりようがありません。
外的な要素で面白くするには、以下のような工夫をするといいかもしれません。
今までになかった視点、観点から書く
珍しい題材、職種、生活などを扱う
誰も知らない真実を書く
目を引くタイトルをつける
今までなかった文章で書く
誰もしたことがない体験を書く
誰も見たことがない世界を書く
とにかく、なんでもいいので、他の話や作品と差をつけましょう。
差がなければ価値はなく、価値がなければ面白くはならないのです。
2.内的ギャップ
外的ギャップは外部環境的な差異でしたが、内的ギャップは、
物語の中にある差
のことです。
差が物語の中にたくさんあり、しかもその差が大きいと、作品はより魅力的になります。
小説内のギャップは多岐に渡りますが、今回は代表的な差である
キャラクターのギャップ
ストーリーのギャップ
の2つを見ておきましょう。
1.キャラクターのギャップ
あなたが作ったキャラクターにギャップはありますか?
キャラクターのギャップには主に、
普通との差
内面と外面の差
時間軸の差
があります。
1.普通との差は「一般人との差」と言ってもいいです。
たとえば、
ものすごく強い
ものすごく綺麗
ものすごくでかい
ものすごく頭がいい
ものすごく優しい
などですね。
普通からの差が大きいと、キャラクターの魅力は高まります。
2.内面と外面の差は「表面的な性格と内面的な性格の差」です。
たとえば、
外面: 表面的にはものすごく冷たいが、
内面: 実はものすごく主人公が好き
外面: 表面的にはドジでおっちょこちょいだけど、
内面: 実は世界屈指の魔法使い
などです。
今はあまり聞かなくなりましたが、ツンデレは内面と外面の差の代表例です。
みんなの前ではツンツン
二人きりになるとデレデレ
こういったギャップがあると、キャラクターはとても魅力的に映ります
3.時間軸の差は「成長の差」と言ってもいいです。
最初は役立たずのヘタレだったのに、物語終盤ではみんなを引っ張り大活躍する、といった成長の差が大きいと魅力が増します。
そういったキャラクターはうまくやると人気も出ますね。
応援したくなるからかもしれません。
2.ストーリーのギャップ
ストーリーにギャップがあると、読者はハラハラしたり、感動したりします。
ストーリーのギャップには主に、
谷と山の差
予想と実際の差
の2つがあります。
1.谷と山の差は「盛り下がりと盛り上がりの差」です。
単純に言って、ストーリーが山あり谷ありだと面白さが増します。
盛り下がりは、だいたいにおいて主人公が落ち込む展開です。
主人公が悩んだり、葛藤したりすると、ストーリーは盛り下がります。
そこで何かに気づいたり、誰かに叱咤激励されたりすることで、主人公は再び立ち上がり、ストーリーは最後のクライマックスに向けて盛り上がっていきます。
その差が大きければ大きいほど、ストーリーは面白くなるのです。
2.予想と実際の差は「読者の予想とのズレ」です。
読者が「こうなるんだろうな」と予想している展開から、実際の展開を上手にずらすと、驚きが生まれ、作品の魅力が増します。
このズレはあまり大きくてもいけません。
あくまでも読者の期待に添いつつ、わずかだけずらしましょう。
ちょうどいいズレを作れると、読者は面白さを感じ、満足して作品を読み終えることができます。
以上のように、さまざまなギャップを駆使することで、小説はその価値を増し、面白くなっていきます。
自分の作品にはどのギャップが足りないのか、そのギャップを大きくするにはどうすればいいのか、少し考えてみるといいですね。
今回のまとめ
「面白くならないのはなぜか」でした。
ギャップがなければ面白くならない
ギャップ = 価値 = 面白いギャップには2つある
外的ギャップ
内的ギャップ
外的ギャップは、他の作品との差異
他の作品と違わなければ、読む理由はない内的ギャップは、物語内の差異
キャラクターのギャップ
普通との差
内面と外面の差
時間軸の差
ストーリーのギャップ
谷と山の差
予想と実際の差
話がどうしても面白くならないなら、最初はとにかく差を作ることを意識しましょう。
差の質については後で改善していけばいいです。
それではまたくまー。
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