【番外編】Zoholics@Austin2023に行ってきました!
こんにちは。
ベンチャー、スタートアップ、中小企業専門に、ZOHOやSalesforceの運用支援をしている虹雲ワークスです。
いつもはCRM導入・運用の悲喜交々をフィクションでお送りするnoteですが、今回は番外編ということでアメリカ・オースティンで行われたZoholics(Zohoのビジネスイベント)へ参加した旅行記をお届けします。
軽い気持ちでお楽しみください!
Why Zoholics? Why Austin?
さて、まずZoholicsについてですが、ユーザ向けでもありパートナー向けでもありメディア向けでもある、Zohoのビジネスイベントです。SalesforceでいうところのDreamforceのようなイベントです。
現在は東京を含む世界主要都市で行われており規模感も様々なのですが、コロナ前は限られた場所のみで大々的な実施でした。
その場所がテキサス州オースティン。
Zohoはインドに開発拠点がありますが、販売拠点はアメリカです。
そして、オースティンにはアメリカでの重要な拠点があることから、以前からZoholicsといえばオースティン!なのです。
オースティンは人口100万人弱の中規模都市で音楽の街。
中心部をコロラド川が流れる、適度に都会、適度に田舎のゆったりした街という印象です。
最近では、カリフォルニアの生活コストが上がりすぎたために、IT関係の企業がオースティンを含むテキサス州に移ってきているという話もありますね。
余談ですが、Zohoのサービスデモによく出てくる「Zylker Corporation」という架空の会社はオースティン近郊の地「Zilker」から取られているようです。
オースティンへの道
さて、日本からオースティンへの道のりですが、直行便がないので、アメリカ内で一度トランジットする必要があります。テキサス州内のダラスやヒューストン、あとはロサンゼルスやシカゴが多いみたいです。
今回は、行きはダラス経由で15時間、帰りはロサンゼルス経由で15時間半でした。
ダラスもロサンゼルスも日系の航空会社が就航しているので安心です。
Zoholicsってこんな感じ
今回は2日にわたって開かれました。
テキサス大学オースティン校という巨大なキャンパスの中のカンファレンスセンターが会場です。アメリカの大学キャンパスは本当に大きいですね。
参加者は1000名くらいでしょうか。
SalesforceのDreamforceとかに比べるとこじんまりしている印象ですが、有償(通しで参加すると日本円で30,000円くらい)のイベントなので参加者の意欲は高い感じです。
CRM、ビジネスOS、そしてAI
2日にわたって行われたセッションではCRMだけでなく、ファイナンス、サポート、コラボレーション、マーケティングなど、Zohoがカバーする多様なテーマでのナレッジ紹介や事例共有、今後のロードマップ紹介が熱量を持って行われていました。
改めて、単なるCRMではなく「中小企業のビジネスOS」としてのZohoを印象付けられます。
そして、今回の最もホットなテーマはAI。特にAIによる生産性向上やChatGPT連携による対話型の分析・コンテンツ作成などが注目を浴びていました。
まだ日本語環境での活用には少し時間がかかりそうな印象でしたが、Zoho Analyticsでの自然文での指示でレポートやダッシュボードを返してくれる、という動きは、ユーザ視点では非常に活用が進む進化だなと感じました。
それと、このようなSaaS環境でのAI活用は、一般的な解を返してくるだけでなく、自社独自で蓄積してきた顧客、営業、販売、メール、電話などの独自データが二次的な価値を生み出せることがメリットです。
今回少しだけその片鱗が見えたのは未来を感じました。
ビジネスOSとしてのZoho
今回、特に強い印象を持ったのは、Zohoがもはや「Salesforceの安価な下位互換」的なクラウドCRMの会社ではなく、中小企業・スモールビジネスのビジネスプロセス全体を見据えてサービス提供をしている会社だということです。
今回の発表では、スモールビジネスの立ち上げ期やフリーランス独立初期をターゲットにした「Zoho Solo」「Zoho Start」の発表など、業務内容だけでなくビジネスの成長をフェーズで区切ったサービスを出してきたことや、IDaaSサービスとしてOktaやOneLoginの競合となってくる「Zoho Directory」が発表されたことなどが印象に残りました。
また、何よりもZohoの全部入りスイートである「Zoho One」のコストパフォーマンスが相変わらず異常に良すぎることで、もともと単体サービスを使っていたユーザの多くがZoho Oneに乗り換えているようです。
特に、ひとりの業務担当領域が広かったり、顧客情報を中心にバックオフィスまでを一気通貫で効率化することにメリットを感じやすい中小企業においては、CRM単体で使うよりもはるかにメリットが大きくなっています。
自分も、業務領域の拡大は順序だてて行うにしても、最初からOneで契約して先々の活用シナリオを導入先顧客と共有しておく、ということをよく行っています。
一方で、私たちのようにZohoの導入・運用支援を行うことで売上を上げているパートナーや支援会社も、これまでのようにCRM部分だけの知識や、導入先ユーザが要件を作ってくれてシステムを作り込む、というだけの旧来のシステム会社的な知見だけでなく、マーケティング、会計、バックオフィス、プロジェクト管理、BIなど、AsIsとToBeでの業務効率化を顧客とともに伴走して進めていける広いビジネスの知見も必要になってきますし、顧客情報を起点として顧客とどういう関係を築いていきたいのか、どのようにビジネスを成長させていきたいのか、を対等に会話して、ロードマップを作りながらシステムや運用に落とし込んでいく能力が求められるように思います。
正直、旧来のシステム会社や営業支援会社では対応しきれない能力も求められるところですし、このポジションを担える人材は社会的にもかなり希少だと思いますので、人材育成がなかなか追い付かない現状はあると思います。
逆に言えば、そういう能力・スキルを持った人材がZohoを使いこなすことで圧倒的なアドバンテージを得られる世の中になっていくのではないでしょうか。
行ってよかったZoholics
さて、今回のZoholics、情報自体は日本にいても取得できるものが中心でした。
セッションの内容こそ参加者以外には非公開ですが、Twitterでも同時並行で情報発信を行っていました。
私にとって何よりも価値があったと感じているのが「リアルミートアップ」としての久しぶりのZoholicsだったこと。
Zohoのエンジニアやエヴァンジェリストはもちろん、(アメリカ中心とはいえ)全世界のビジネスオーナーやパートナーたちと会話できたことが大きな学びになりました。
特に、ファウンダーであるシュリダー・ベンブをはじめとする、Zohoのリーダーシップたちが直接語り掛けることによる熱量を感じられたことはとても感銘を受けました。
価格に対するこだわり、透明性、中小企業のビジネスプロセスを寄り添って支援する覚悟、セキュリティやプライバシーに対する投資、また、オーガニック成長にこだわりM&Aを行わない成長スタイル…
日本にいると、Zohoに関わっている私ですら情報量の少なさや「知る人ぞ知る」的な位置づけに留まっていることでのフラストレーションを感じることが少なくありません。
何より、ユーザ企業にとっては機能や価格はもちろんのこと、「自分が選んだプロダクトの未来は明るくて、このプラットフォームを使っていけば自分たちのビジネスももっと進化するんだ」と感じられることはとても重要だと思います。(Salesforceはそのへん上手ですよね)
そういった意味でZohoの企業としての強さ、先進性、スタイルを肌で感じられたのはよかったですし、「これからもZohoを自信を持って推していこう!」と思えるイベントだったなと思います。
日本でのZoholics
日本では毎年秋にZoholicsが行われています。
残念ながら規模的にも内容的にも少し小規模なように感じますが、国内のZohoユーザ社もだいぶ増えてきていますので、ぜひゾーホージャパンには盛り上げてもらいたいなと思っています。
機会があったらぜひ参加してみてください!
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