【ちばMakers】vol.6 千葉県浦安市 URAYASUmarkets
千葉で新しい風をおこそうと、頑張っている人を特集する【ちばMakers】
第6回目は浦安市にある、千葉に関するアンテナショップ URAYASUmarketsのオーナー市川さんにお話をうかがいました。
これいいよ、と勧めたくなるものを。
千葉県産や、千葉に縁のあるものがずらりと並ぶ、URAYASUmarkets。
オーナーの市川さんが実際に食べたり使用したりして、「いいな」と思ったものだけがそろいます。
URAYASUmarketsのオープンまでには、数々の「私がやろう!」が重なり合っていったといいます。
自分の「街」を知りたくなった
7歳の時に、浦安市へ引っ越してきた市川さん。
家庭の都合などで、中学までは市川市の学校へ通いました。
その後社会人になってからも、浦安市で暮らします。
ずっと浦安に住んでいるのに、浦安のことを何も知らない。
もっと自分の街を知りたいという想いから、2013年に「地図とペン」という屋号で、フリーペーパーの作成をはじめます。
「完全に飛び込みで、それまで自分が利用していたお店などに、お話をうかがいました。
浦安には4代続くような老舗のお店から、自分と同年代のオーナーが営む素敵なお店が点在しているんです。
そんなお店が肩を並べて載っている、ハートフルな紙面にしたいと思っていました。
取材・撮影・デザイン・ライティングに加え、ポスティングもひとりで行っていたので、お店の方々も親身になって協力してくださいました。」
フリーペーパーの作成を続けていく中で、取材したお店の方から、ショップカードを作って欲しいとの依頼が入るようになります。
「ショップカードというのは、お店の分身だと思っているんですね。
なのでお店をより魅力的に紹介できるようなショップカードを目指して、作成させていただきました。」
そうしていると、次はお店の商品パッケージの相談も受けるようになります。
その魅力を知る市川さんだからこそ、より魅力的なパッケージができ上がっていきます。
すると、次はこの商品たちをどう届ければよいか、という相談を受けます。
「これこそわたしがやるべきだ、と思いました。」
商品販売のために小さなワゴンを作ってもらい、2016年に「ひとり物産店」をスタートさせます。
浦安の老舗銭湯松の湯さんなどにスペースをお借りして、不定期で市川さんがパッケージを手掛けた商品を販売したのです。
常に同じ場所にいるということ
地図とペン、ひとり物産店の活動を続けていく中で、浦安のお店を紹介する地図、「URAYASU MAP」の作成も手掛けることになりました。
浦安で個人店を営むオーナーたちと、市川さんで作り上げたURAYASU MAPは、新旧問わず浦安の魅力を知ることができる地図です。
その後、市川市の魅力を伝える「ICHIKAWA MAP」の作成も手掛けます。
2つの街の地図を作成し、市川さんの中で気持ちが変化していきます。
「常に同じ場所にいて、誰かを迎えることができる。
そういうことは素敵だな、と感じるようになりました。」
もうこれは自分がやるしかない
大きな転機が訪れたのは、URAYASU MAPの三刷りのため、掲載店舗に変更がないかなど確認をしているときでした。
「精肉店の丸秀さんが、お惣菜屋さんもやっていたのですが、精肉店の方が忙しくなり、
お惣菜店を閉めると聞いたんですね。
ここでこのあと、だれかお店やる人いないかな。と言われて。
もうこれは自分がやるしかない!ほぼ直観で決めてしまいました(笑)」
こうして、2017年7月20日にURAYASUmarketsがオープンするのです。
気軽にふらりと
URAYASUmarketsさんへ取材におうかがいしたのは、8月の平日午前中。
取材中にもお客様がどんどんいらっしゃいます。
出先で素敵なお土産物を見つけたから
ここでアイスを食べるのが好きだから
近くで個展を開催するので挨拶に
近くに配達にきたから
など、ふらりと友達の家に遊びにくるかのように、お客様が来店します。
お店に用があるというより、市川さんに会いに来た!そんな印象を受けました。
これが、「常に同じ場所にいる」意味なのだな、と感じます。
URAYASUmarketsのキャラクターは、ウキウキとおでかけするおじさんのキャラクター。
このキャラクターには、「おじさんでもスキップしながら気軽に入れるお店にしたい」という市川さんの想いが込められています。
お店に入るだけで気合いが必要、そんなお店も素敵だとは思います。
でも普段使いするものは、普段着でもふらりと入れるお店がいい。
URAYASUmarketsはまさに、そんなお店だと感じました。
自分アンテナショップ
食品、衣類、雑貨。
URAYASUmarketsには、普段使いできる品々が並びます。
全て、市川さんが実際に食べたり使ってみて、いいと思ったものばかり。
「上質なものというよりも、自分にとって手触りがいいもの。を基本にそろえています。
セレクトショップというよりは、わたしのアンテナに引っ掛かかった『自分アンテナショップ』かな。
普段使いできて、人にも勧めやすいものばかりです。」
いいと感じた商品は、直接メーカーさんの元へ足を運び、自分で交渉する市川さん。
「愛用者の私だからこそ、ちょっとおもしろく伝えられるかなと思っています。」
そういいながら、商品のひとつひとつを丁寧に説明してくださる姿は、商品への愛情があふれていました。
千葉も、浦安も。
URAYASUmarketsでは、ここでしか手に入らないオリジナル商品も展開しています。
三番瀬をイメージして、ゆうかコーヒーがブレンドした、SANBANZE BLEND
大津屋のピーナッツバターを使用し、メイナベーカリーが作る、ショートブレッド
館山フルーツ工房で手作りされた、イチゴミントシロップ
この3つをセットにしたオリジナルギフトセットは、贈り物やお土産にぴったり。
パッケージデザインは、すべて市川さんが手がけています。
「千葉も浦安も大好き。地元が好きなんです。
地元のよいものを、伝えていけたらと思っています。」
覚悟を決めれば、あとはすごく自由
最近レンタサイクルもはじめた、URAYASUmarkets。
なんと無料で利用することができます。
「書類も書いてもらわず、自由に乗ってもらっています。
私がシアトルを旅した時に、ホテルにフリーで使えるレンタサイクルがあって、
すごく自由を感じたんですね。そういう風にしたかった。
メンテナンスもきちんと私がする。丁寧に乗ってね、運転してね。
と想いを込める。
覚悟を決めれば、あとはすごく自由だと思っているから。」
今まで事故やトラブルは起きていないそう。
市川さんの想いが、きちんと伝わっているからでしょう。
「自転車のお礼に、とちょっとしたお土産をいただくこともあって。
それがすごく嬉しい(笑) 私、お土産が大好きなんです。
お土産が好きだから、このお店をやっているっていうのもあるかな。」
地元を愛する、地元を知る。
実は人と話すのは苦手だった、という市川さん。
地図とペン、ひとり物産店、URAYASUmarketsと活動していく中で、人と話すのが楽しいと感じるようになったそう。
「千葉のいいところ、浦安のいいところはまだまだ知っている途中。
全部、お客さん含め周りの人に教えてもらっています。」
常にアンテナを張り、新しいもの歴史あるもの全てを吸収している印象を受けます。
「5年先をいかないとね、とある方に言われてはっとしたことがあります。
もっと先に、もっと先に、と常に動いていたいですね。」
柔らかさとともに、強い意志を感じられる市川さんの笑顔。
この笑顔に会いに、今日も訪れる人がいるのだと感じました。
取材後、個人的に気になっていたクリームソーダをオーダー。
URAYASUmarketsでは、軽食やドリンクをテイクアウトやイートインでいただくことができます。
八千代市のガラスメーカー東洋佐々木ガラスのグラスに、懐かしいソーダ水と、房総新生酪農の無添加ミルクアイスがトッピングされたクリームソーダ。
スッキリした甘さのミルクアイスとソーダ水の組み合わせは、ノスタルジックな気持ちになると共に、千葉の豊かさを再確認できる味わいでした。
千葉は豊かで面白い。
自分では知ることのなかった千葉の魅力を、URAYASUmarketsでたっぷり感じてみてはいかがでしょうか。
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