オヤジローン【コトバビタミン】第89回
学生時代、周りのバンドマンたちはローンを組んで楽器を購入している人が多かった。
やはり有名メーカーのギター、ベース、アンプなどはなかなか高額である。
私は親からローンで楽器購入をすることを止められていたが、どうしても欲しい楽器が出てきたので、父親に相談してみた。
私の父はどちらかと言えば新しい音楽に疎い方で、聴いている曲は昔から変わらず「村田英雄」氏の曲が多かった。
「人に勝つより 自分に勝て」とよく言っており、座右の銘的なものも村田氏の曲の歌詞から話していた。
私のやっていた、いわゆる「ロック」な音楽には全く興味、関心もなかったと思う。
しかし、父は私が欲しい楽器があることを相談すると
「オヤジローンで買いなさい!」
と、月1万円無利子での父親への返済の約束で楽器購入をさせてくれた。
これが教育上良いか悪いかは別として、どうしても欲しい楽器が目の前にある自分としては有難い提案だった。
このパターンは何度かあった。
恐らく、私は末っ子ということもあり、結構甘やかされていたと思う。
今になって思うことは、こういう形で父親から自分の活動を応援してもらっていたんだな、ということと、自分も自分の子どもをさらっと応援できるような余裕があればよいな、ということである。
この「余裕」という点について、「心」や「お金」など、今後も探究していきたい。