蓼科グランドホテル滝の湯さんコンサート
8/26、蓼科グランドホテル滝の湯さんでコンサートをさせていただきました。
滝の湯さんはなんと今年で創業100年(古くは信玄の時代から湯治場だったようです)を迎え、記念イベントの一つとしてご縁をいただきました。
私でいいのかなあ、なんて思いつつ紹介してくださった方に話を伺うと、「子どもからお年寄りまで、幅広く楽しんでいただけるピアニストを探している」と。あと電子ピアノでもOKで、しかも持参していただける方、と。
それはもうまさしく自分だな笑、とありがたくお返事させていただきました。
到着すると、大きな看板に自分の写真が…しかも館内の至る所に…
このサイズの看板と印刷を頼むだけでも結構な予算かかるよな、個人の資本力では無理だな、とか余計なことを考えつつ、控え室で待つ間にも「19:00より根本崇史によるピアノコンサートを開催〜」と頻繁に放送がかかる。
こんなことは初めてだぞ、とそわそわ。
スタンバイのお迎えに来てくださったホテルの方が、「やっぱりこういう時って緊張するんですか?」と。
はい、緊張してきました。。正直に言う。。
でも、そういう時って大丈夫なんですよね。自分の場合はある程度の緊張感があった方が良いですし、緊張しているって自覚や知覚がない時とかが危ない。
結論を言うと、とても楽しかったです。
小さい子が手拍子してくれたり歌ってくれたり、メドレーの一曲一曲に拍手をしてくださったり、どうでもいい冗談にドッと笑ってくださったり。
何より、音楽を聴いてくださいました。100人以上の方が聴いてくださったそうです。
やっぱりお客さんの反応ってすごく正直で、どんな言葉よりも反応で分かってしまうので…全員に120%の満足、というのはなかなか難しいですが、お子さま連れのご家族や年配のご夫婦が満足そうに帰っていかれる姿をみて、やっぱり嬉しかったです。
正直、電子ピアノは苦しかったです笑
でも、じゃあコンサートグランドだったらもっと反応が良かったかというと、もしかしたら、必ずしもそうでもないかもしれないと思いました。
音楽は耳で聴いているのではないのかもしれません。お客さまは、少しでも安らげる時間になってほしい、素敵な思い出になってほしいという私の心を聴いていたのかもしれません。
それって楽器の良し悪しじゃない。
正直言って私はピアノは上手くないですし、ピアノ科の学生が受験で弾くような曲も弾いたことがなかったりします。
私はピアニストなのだろうか、と私のことをピアニストとしてご紹介いただくたびに、少し考えます。
でもピアノを弾く、ピアノを奏でるというのは、特にクラシック音楽愛好家とかではない一般の方々にとって、上手い下手の問題ではないのだと思います。もちろん一定の質は必要ですが。
私は、ピアノを一つの方法として、お客さんの心を奏でている。少なくとも、そうでありたいと心がけています。そんな私をお客さんがピアニストと呼んでくださるのですから、私はその方にとって、やっぱりピアニストなのだと思います。
そして、プロだとかアマチュアだとか、ピアニストだとか声楽家だとか音楽家だとかは、自己申告できる肩書きの一つであって、あまり重要ではない。それよりもプロフェッショナルであるかどうかだと思います。
私がピアノを弾いたり歌を歌ったり、音楽することで誰かが喜んでくださるなら、もっともっと磨いて追求していきたい。もっといい音楽、いい時間を追求していきたい。
それは私の自己顕示欲や名声のためでなく(でも多少は必要)、目の前の人にもっと喜んでいただくために。そのことについて、プロフェッショナルでありたい。
じゃあ、プロフェッショナルってなんだよって今度は考えるのですが、人と機会を大切に、今できる最大限のベストを尽くす、ということでしょうか。
帰宅後はなかなかの気持ちよい睡魔でした。
今朝コンサートが終わって久々に草刈りをしたら、やっぱり右手が痛い。草刈りするピアニストって世界にいるんでしょうか??
ベストを尽くすという観点で言うと、もうやめた方がいいかも。かと言って、髪の毛と一緒で整えないわけにはいかない。はて。。