公園のベンチで
今日は暦では『雨水』というのだそうです
暖かな雨が降り注ぐことで、凍っていた大地がゆるみ始め
農業を始める時期の目安
この日に雛人形を飾るのがよい日とされているらしい
早速 小さなお人形をだした
「大きな雛人形を買うことはできないけど」
そういって毎年飾ってくれた母
かなり前のことだけど、
年に1度 お顔を見せてくれている
このお人形を見ていると
後ろに母の笑顏と
雛あられを背伸びして盗み食いしているハナコの後ろ姿が
重なってくる
もうすぐ四十九日だな
リードを握りしめての散歩も40日以上してきたのね
この道を何回一緒に歩いてきただろう
このベンチに何回座って、季節ごとの風を感じてきただろう
そういえば、このベンチに初めて座ったとき
側にいたのはロイだった
認知症で寝たきりになってしまった母の法定後見人に
なるための手続きで歩いてきた時、途中休憩で通った初めての公園
寒い日で缶コーヒーで手を温めながら座ったベンチ
ユックリしか歩けなくなっていたロイも
ベンチに一緒に座って休憩したよね
ロイとの思い出の場所が、どんどん変わってしまっていたけど
ここは残ってるね
ハナコと座るときも、ロイのこと時々思い出してたよ
一つのベンチに
ロイとハナコの2つの温もり
思い出が残っていた
このベンチに座っている人とも
色々お話したな
車椅子に乗ったお婆さんとお爺さん
今日は暖かくて、お散歩気持ちいいでしょ
お婆さんがハナコに声をかけてくれた
それをキッカケに母を亡くしたこと
私と母の車椅子を押して散歩していたことなど
少し会話をした
カートに乗ったシーズーと一緒の老夫婦が座っていた
いくつ? いつまでも元気にお散歩してね
にこやかにハナコに話しかけてくれた
うちも14歳になるんですよ
じゃぁお互い長生きしましょうね!
そう言ってもらったのに、数カ月後の今 ハナコはいない
そういえば、散歩途中にいつも挨拶してた
元気すぎるシーズーの男の子にも会ってないな
元気してるのかな
散歩道で、どんどん湧き上がってきた思い出を
ダラダラと書いてしまった
思い出って、いくらでも出てくるね
何年も前の思い出も 鮮明に見えてくるね
ハナコ… 今どうしてますか?
私は まだまだハナコに会いたくて、ハナコに触れたくて
心がバラバラになったままです
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